施設栽培でアイコを育てている農家です。まだ就農して3年ですが、徐々に軌道にのってきたので、新しいミニトマトの栽培にもチャレンジしたいと考えています。
糖度が高いミニトマトは消費者の人気も高いので、いろいろと調べていたところ「CFプチぷよ」という品種があることを知りました。
近所のスーパーでもプチぷよの人気は高いようなのですが、どのような特徴があるミニトマトなのでしょうか?
ぜひ育ててみたいので、栽培方法や注意点があれば教えてほしいです。
施設栽培でアイコを育てている農家です。まだ就農して3年ですが、徐々に軌道にのってきたので、新しいミニトマトの栽培にもチャレンジしたいと考えています。
糖度が高いミニトマトは消費者の人気も高いので、いろいろと調べていたところ「CFプチぷよ」という品種があることを知りました。
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中島洋治
とまと家
高糖度で果肉が柔らかい。果実品質高く裂果もしにくいが、棚持ち性が悪く、輸送や品質管理には注意
CFプチぷよの特徴
「CFプチぷよ」は、渡辺採種場が育成した品種です。かわいらしい名の通り、赤ちゃんのほっぺのような柔らかさが特徴です。
スーパーでは「ぷよぷよ」といった愛称で販売されていることもあります。
糖度が高く、甘くて美味しい
糖度が高く、酸味はほとんど感じられません。
また他の品種と比べて小ぶりで果皮が薄いことから、食味が良いと評判です。その甘さを活かして、他の品種と差別化して販売しやすいという利点を持っています。
一方で、ぷちぷよ独特のトマトの青臭さがあります。
プチぷよの糖度については、こちらの記事をご覧ください
「トマトの新品種CFプチぷよの糖度はどれくらい?糖度を高める方法は?」
裂果しにくい
果皮は薄くやわらかい品種ではありますが、意外にも丈夫で、裂果が少ない性質を持っています。
葉かび病抵抗性(Cf9)を持っている
CFプチぷよは改良が重ねられ、葉かび病に対する抵抗性を持ちます。
絶対にかからないということではありませんが、栽培する上で大きなメリットとなるでしょう。
接ぎ木はTm1型の台木で行う
トマト栽培では、台木にTm2型を選ぶケースが多いものの、プチぷよの接ぎ木を行う場合は、Tm1型の台木を選びましょう。
プチぷよの適切な栽培環境
CFプチぷよは、温度が管理できれば年中栽培が可能です。
発芽までの適正気温は日中30度〜夜間25度、発芽後は日中23度〜夜間16度前後と言われています。
反対に、高温が続く地域での栽培は向いておらず、どちらかというと露地栽培よりハウス栽培が適しているでしょう。
適作型には、加温半促成型、無加温半促成型、雨よけ早熟型、雨よけ夏秋型、抑制型の5つがあり、栽培時期によって異なります。
プチぷよの栽培に適した条件については、こちらの記事もご覧ください
「CFプチぷよの栽培に向いている産地はありますか?」
育て方のポイント・注意点
CFプチぷよの栽培方法は、基本的に一般的なミニトマトと同じですが、特に気を付けておきたい管理のポイントをご紹介します。
プチぷよを種から育てる方法については、こちらの記事をご覧ください
「トマトの「CFプチぷよ」のF1種から種を取り育てるにはどうすればいいですか?」
自然着果は難しい
CFプチぷよは自然着果しにくい品種です。
スムーズに着果させるために、マルハナバチを利用するか、ホルモン処理を行うことをおすすめします。
潅水は多めが理想
CFプチぷよは草勢が強め、節間が短いといった性質を持っています。
肥料が多すぎると草が生えすぎてしまうので、肥料は少なめ、潅水を多めに心がけると良いでしょう。
芽欠きの管理をしっかり行う
放っておくと主茎以外にたくさん脇芽が生えてくるため、その都度、脇芽を取り除きましょう。こうすることで主茎に栄養を集中させることができます。
また、葉が密になってカビが生えないよう、株の風通しを良くしてあげることも目的のひとつです。
CFぷちぷよは他品種にくらべ、節間が短くなりやすい品種です。節間が密になると風通しが悪くなり病気が発生しやすいので、脇芽欠きをしっかり行いましょう。
果実や葉の日焼けに注意
CFプチぷよは果皮が薄いという特徴から、高温による日焼け対策が必要です。
こまめに換気を行ったり、遮光・遮熱資材などを活用しましょう。
特に高温期には、20〜30%の遮光を行います。他にも、通常よりも早めに収穫するなどして品質保持の工夫を行うと良いでしょう。
また、果実の上に展開する葉は、果実を遮光するリーフカバーとしての利用も効果的です。栽培時期(日射量の強い夏季など)や、生育状況に応じ収穫前は果実の上の葉を切らずに残しましょう。
強風に注意
CFプチぷよの葉は果皮同様に柔らかいため、擦り傷がつきやすいです。
雨風に直接あたると、小さな傷や汚れがつくとそこからカビが発生して腐ってしまうため、強風時や薬剤散布の際には注意が必要です。
また、雨風に直接あたると品質が劣化してしまいます。
露地栽培の場合は特に気を付けましょう。
CFプチぷよの管理で大切なのは、「自然着果」と「灌水」「芽吹き」を行い、「日焼け・強風」に注意することです。
このお悩みの監修者
中島洋治
とまと家
国内種苗会社に入社後、原種トマトの知識を深めるため南米にトマト留学。帰国後はビル屋上でのトマト栽培や海外のトマト栽培コンサルタントを行う。「トマトがあれば〜何でもできる!」を合い言葉に、「とまと家」としてトマトの魅力発信活動を主催。