北海道でミニトマトを育てる農家です。新しい品種のCFプチぷよを育てようかと考えていますが、北海道は産地として適切でしょうか?
もともとは宮城で開発された品種だと聞きました。
北海道のような寒冷な土地でも、問題なく育つでしょうか?
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中島洋治
とまと家
さまざまな作型に対応しているCFプチぷよは全国どこでも栽培が可能
CFプチぷよの発祥地
CFプチぷよは、宮城県の渡辺採種場が開発したミニトマトの品種です。
少し小ぶりながらも艶やかな見た目と、糖度が高い特徴があり、販売所では「つやぷるん」や「ぷよぷよ」といった愛称でも販売されています。
うまく完熟すれば糖度は10度まで上がり、ミニトマトの中でも抜群の甘さを誇ります。
初めて品種登録されたのは2008年で、その後2014年には葉かび病に対する抵抗性をもった改良品種が登場しました。
CFプチぷよの産地
ミニトマトの生産量は政府の作物統計調査によると、2019年度実績で151,800トンあります。
そのうち、生産量1位は熊本県、2位が北海道、3位は愛知県となっており、3道県だけで国内生産量の約45%を占めています。
これほど多くのミニトマトが生産されていますが、CFプチぷよに関してはそれほど市場には出回っていないのが現状です。
その理由はCFプチぷよの特徴にあります。
他の品種と比べて薄皮で非常にデリケートなため輸送性に欠けており、地産地消されているケースが多いのです。
あまり日持ちがしない品種でもあるので、産地でおいしいうちに消費しているというのが現状です。
栽培に適した条件・時期
次に、CFプチぷよの栽培に必要な環境条件について見ていきましょう。
気温
CFプチぷよの栽培で最も重要なポイントは温度管理です。発芽までは日中30度〜夜間25度、発芽後は日中23度〜夜間16度前後が適温です。
つまり、気温さえ確保できればどの地域でも栽培可能な品種です。
北海道の寒い地域でも施設栽培で気温管理が可能であれば、特に問題はありません。
しかし、CFプチぷよは高温には弱いため、適温を超えた暑すぎる地域には向いていないと言えます。
栽培時期・作型
CFプチぷよには、下記のようにさまざまな作型があります。・ハウス加温半促成型 播種11月初旬~/定植:1月上旬~/収穫:3月下旬~
・ハウス無加温半促成型 播種:12月下旬~/定植:3月上旬~/収穫:5月中旬~
・ハウス雨よけ早熟型 播種:2月中旬~/定植:4月中旬~/収穫:6月中旬~
・ハウス雨よけ夏秋型 播種:3月下旬~/定植:5月下旬~/収穫:7月中旬~
・ハウス抑制栽培 播種:5月中旬~/定植:6月下旬~/収穫:8月中旬~
※栽培型を参考に、地域の気候に合わせて栽培してください
作型は、栽培したい地域の気候に合わせて選びましょう。いずれもハウスなどの施設栽培が一般的ですが、季節を選べば露地栽培でも可能です。
露地栽培は、最低夜温が10度を超える時期を目安に行いましょう。
CFプチぷよは全国で栽培可能
ミニトマト「CFプチぷよ」は、気温が担保できる場所であればどの地域でも栽培が可能です。
しかし、他の品種と比べてデリケートな品種なので、販売先や輸送条件には注意してください。
プチぷよの具体的な栽培については、こちらの記事をご覧ください
トマトの新品種CFプチぷよを栽培したい!育て方を教えてください
このお悩みの監修者
中島洋治
とまと家
国内種苗会社に入社後、原種トマトの知識を深めるため南米にトマト留学。帰国後はビル屋上でのトマト栽培や海外のトマト栽培コンサルタントを行う。「トマトがあれば〜何でもできる!」を合い言葉に、「とまと家」としてトマトの魅力発信活動を主催。