これまで大玉トマトを栽培していましたが、最近ミニトマトのアイコの栽培もはじめました。
しかし、大玉では裂果はあまり起きなかったものの、アイコでは、実が割れてしまうことがあります。
割れてしまう原因は何なのでしょうか?対策する方法があれば、教えていただきたいです。
これまで大玉トマトを栽培していましたが、最近ミニトマトのアイコの栽培もはじめました。
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中島洋治
とまと家
アイコが裂果するのは生理現象ですが、有効な対策はあります
アイコは裂果に強い品種
トマトの裂果は生理障害で、大玉トマトよりもミニトマトの方が発生しやすい傾向があります。
実が割れてしまったトマトは売り物にならないため、ベテラン農家でも裂果には注意を払って栽培しています。
アイコシリーズは皮が厚めで裂果が少なく、初心者でも育てやすいと人気の品種です。
しかしそんなアイコシリーズでも、絶対に裂果しないという訳ではありません。
アイコの実が割れる原因
アイコが裂果してしまうのは、以下の4つの要因が考えられます。
チッ素過多
ヘタの周辺で裂果が起きた場合、多くはチッ素の過多が原因だと考えられます。
肥料過多により果実の芯が肥大すると、ヘタの下に茶色い硬い層(コルク層)が形成されます。これが裂果の原因につながるのです。
低温
夜間の最低気温が12℃を下回るような低温期が続くと、果皮が固くなり、実が割れやすくなってしまいます。
水分過多
潅水量が多かった場合にも、アイコは裂果しやすくなります。
アイコの成長期には、肥大期(大きくなる時期)と着色期(赤く色づく時期)がありますが、裂果しやすくなるのは着色期です。
アイコはストレスを与え、水分を凝縮させることで糖度が高くなるため、着色期に水を与えすぎると水分量が裂果につながります。
強い日射
夏期の栽培時は、強い日射により果皮がかたくなり裂果しやすくなります。
過度な摘葉など葉が少ない状況で、果実に対する日陰が無い環境でも発生しやすくなります。
アイコの裂果を防ぐ3つの防除策
アイコの裂果を未然に防ぐために、3つの対策方法を紹介します。
適切な温度の維持
高温すぎても低温すぎても、アイコは裂果しやすくなります。
そのため、まず高温対策としては、遮光を行うことが有効です。遮光カーテンや遮光ネット、熱線断熱フィルムなどを張る方法が一般的です。
低温対策のポイントは、夜間の最低気温を上げることです。ハウス栽培では、加温器などを使って温度調整を行いましょう。
潅水量
アイコの栽培は、生育の状況により水分量を変えることが重要です。潅水は、土の表面が乾いてきたタイミングで行いましょう。
日除け
日焼け対策としては、上位葉部の草勢を強くしたり(日除け用の葉を増やす)、遮光ネットや熱線断熱フィルムなどを使い日光量を抑えましょう。
ただし、完全に日光を遮ってしまうと生育に影響がでるため、調整が必要です。
このお悩みの監修者
中島洋治
とまと家
国内種苗会社に入社後、原種トマトの知識を深めるため南米にトマト留学。帰国後はビル屋上でのトマト栽培や海外のトマト栽培コンサルタントを行う。「トマトがあれば〜何でもできる!」を合い言葉に、「とまと家」としてトマトの魅力発信活動を主催。