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アイコが芯止まりしてしまった。原因と対策を教えてください

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アイコが芯止まりしてしまった。原因と対策を教えてください

余っていたハウスを利用して、新しくミニトマトを育て始めた農家です。

品種はアイコがメインで、まだ栽培をはじめて数年ですが、最近、背丈が伸びなくなってきました。

知り合いの農家さんに相談したところ「芯止まりをしてしまったのではないか」と言われましたが、確認してみると、確かに成長点がなくなっているようです。

芯止まりを起こしたのはこれがはじめてなので、原因や予防法について教えて欲しいです。

中島洋治

とまと家

アイコは芯止まりしても次の脇芽を伸ばせば収穫は可能です

トマトの芯止まりとは


トマトは品種ごとに、「芯止まり性」か「非芯止まり性」のどちらかの性質を持っています。

「芯止まり性」のトマトは、芯(成長点)が上に伸びず、横に広がっていきますが、アイコのような「非芯止まり性」のトマトは、成長点から次々と芽が出て上に伸びていきます。

一方で、生食品種のトマトの多くは非芯止まり性で、芯止まりを起こす場合、何らかの生理障害が起こっていると考えられます。

芯止まりは、3段目の花房が開花するころに多く見られ、花房の上に花房が出てくる「連続花房」の発生や、成長点がなくなったら芯止まりを疑いましょう。


芯止まりを起こす原因


芯止まりを起こす原因には以下のようなものがあります。

肥料過多(窒素過多・ホウ素不足)


肥料の与えすぎは、芯止まりの原因のひとつになります。

肥料を与え過ぎると、トマトの樹勢が強くなり、窒素を使いきれなくなります。すると、茎が縦に裂け穴が開いたようになる「異常茎(めがね)」が発生します。

「異常茎」になると成長点付近が短節間になり、茎が紫色に変色して、壊死したような現象がおこります。こうなると、芯止まりの兆候なので要注意です。

また、窒素を含んだ肥料を与え過ぎると、根からホウ素を吸収できなくなり、ホウ素不足で異常茎になる危険性もあります。


日照不足


雨や曇りが続いて日照不足になると、芯止まりを起こす原因になります。

トマトは光合成をすることで根から吸い上げた窒素を消費し、成長していきますが、日照不足で光合成の活動が弱くなると、植物体内の窒素過多になり、異常茎の発生につながります。


アイコの芯止まりを防ぐ方法


芯止まりを起こさないための予防策を紹介します。

肥料を与えすぎない


元肥を与え過ぎると窒素過多やホウ素の欠乏につながります。とくに、窒素を多く含む肥料の散布には注意が必要です。

もし強勢であれば、リン酸主体の葉面散布剤を約1週間間隔で施肥し、過度に窒素を吸収させないよう気をつけます。

また、一度に大量の窒素を吸収させないよう、水やりと追肥は少量づつ行いましょう。


ホウ素主体の葉面散布剤を施肥する


ホウ素主体の葉面散布剤を定期的に施肥しましょう。

「異常茎」が発生するなど、芯止まりの兆候が見られた場合でも、この処置を行うことで、ある程度芯止まりを抑制することが可能です。


アイコが芯止まりを起こしたときの対策法


万が一、アイコが芯止まりを起こしても収穫ができなくなる訳ではありません。

芯止まりのすぐ近くにある脇芽を伸ばし、その脇芽を次の成長点として育てましょう。

脇芽が成長してきたら、他の脇芽を取り除いてさらに栽培を続けます。

一度芯止まりを起こすと収穫時期が遅れてしまいますが、収穫まで育てることは可能です。

このお悩みの監修者

中島洋治

とまと家

国内種苗会社に入社後、原種トマトの知識を深めるため南米にトマト留学。帰国後はビル屋上でのトマト栽培や海外のトマト栽培コンサルタントを行う。「トマトがあれば〜何でもできる!」を合い言葉に、「とまと家」としてトマトの魅力発信活動を主催。

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