サツマイモの根（塊根）から病気を確認するポイントは？

サツマイモの根の状態は表皮と内部で判断しましょう

根の状態をどう判断するべきか？

サツマイモの葉や茎に異変を感じた場合、すぐに同じ株の地際部や根（塊根）の状態を確認してください。地際部の茎にはツル割れや基腐病の症状が早くから現れます。

根（塊根）の確認するポイントは、表皮と内部の2カ所です。

とくに表皮には「黒色の病斑が生じる」「帯状の模様の変色する」「菌糸に覆われる」など、特別な症状が出やすいので病気の判断が付きやすいでしょう。

しかし、内部に関しては腐敗しているかどうかがポイントとなります。

もし腐敗していたら、その株は速やかに畑から取り除くことが大切です。

病気の早期発見によって被害の拡大は最小限に抑えることができます。

サツマイモが枯れる原因についてはこちらをご覧ください
「サツマイモを栽培していますが、枯れてしまう原因を教えてください」

収穫が近づいたら試し堀りを行おう

サツマイモは収穫目安の1カ月ほど前に「試し掘り」をして収穫時期を見定めるのがいいとされています。

しかし、病気を早く見つけるためには、植え付け後から定期的に生育状況を確認した方がいいでしょう。

特に最近ではサツマイモに、基腐病の被害が拡大しています。

基腐病を防ぐ方法はこちらをご覧ください
「サツマイモ基腐病の発生原因と防除方法 を教えて」

根（塊根）の症状によって考えられる病気

サツマイモの根（塊根）は、植え付けてから2カ月ほどで大きくなり始め、霜が降りるまで肥大を続けます。

でも長く栽培すると塊根が大きくなりすぎて中が空洞になったり、裂開や条溝ができて商品性が低下するので注意して下さい。

塊根の肥大を確認するための試し掘りは、必ず生育が正常な株で行ってください。

黒斑病

黒斑病は黒褐色の病斑が表面に発生し、さらに病気が進むと、くぼんだ黒色の病斑となります。

黒斑病の対策方法はこちらをご覧ください
「サツマイモの黒斑病（こくはんびょう）の症状と防除方法を知りたい」

帯状粗皮病

ウイルスによる帯状粗皮症（おびじょうそひ）は根（塊根）の表面に細かなひび割れが縞模様に生じ、重症化するとひび割れた部分がくびれます。

紫紋羽病

紫紋羽病（むらさきもんぱ）は根（塊根）の表面に紫褐色の糸のような束（菌糸束）が、網目のようにからみつきます。

重症になると糸束が密になってフェルト状となり、最後には根（塊根）内部まで軟化、腐敗することもあります。

黒あざ病

黒あざ病は根（塊根）の表面に淡黒色から黒色の不定形のアザ状の病斑が生じますが、内部には進展せず腐敗もしません。

軟腐病や基腐病

根（塊根）が暗褐色となり、腐敗している場合は軟腐病や基腐病などが考えられます。

軟腐病は柔らかく腐敗しアルコール臭がします。合わせて表面に白色のくもの巣のような菌糸が生えます。基腐病は、なり首（茎のつけ根側）部分から内部にかけて変色します。

軟腐病の原因や対処法はこちらをご覧ください
「軟腐病（なんぷびょう）とは？原因や対処法を知っておきたいです」

病気に対する対策

近年、サツマイモの病気は深刻化しています。

昔は育てやすいといわれた作物でしたが、マルチや土壌消毒など栽培方法の変化に伴い、発生状況が複雑になっています。

被害を抑えるためには、葉の様子を見るだけではなく定期的な圃場の点検と根（塊根）の点検は欠かせません。

そして異常を発見したら、すぐに抜き取るなどの処置を行ってください。