サツマイモの病気を葉の症状から見つけられますか？

YUIME Japan編集部 / 2022.11.28

分析・管理

#サツマイモ #病害虫 #野菜作 #根菜類

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まだ農家になって数年ですが、最初の頃は育てたサツマイモが病気にかかり、大変な思いをしました。

最近は対策をしてるおかげで、ダメになる芋は少なくなりましたが、まだ安心することはできません。

先輩農家さんにもいろいろとアドバイスをもらっていますが、先日「サツマイモの病気をいち早く見つけるためには、日頃から葉や茎など、目に見える部分をしっかり観察するのがいい」と聞きました。

まだ知識不足で、自分で判断することは難しいので、葉の症状から推測する方法や、病気について詳しく教えてください。

山川理

山川アグリコンサルツ代表、農学博士

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症状を確認し、原因を特定してから対策をしましょう

サツマイモの葉と茎の観察ポイント

サツマイモは生育が旺盛な時期になると葉が勢いよく生い茂っていきます。

そうなると、パッと見ただけで病気を見つけるのは難しいです。

土壌の水はけの確認と合わせて、定期的に葉の裏や茎の状態を確認することを忘れないようにしましょう。

サツマイモは栽培しやすい作物ですが、病気の早期発見は意識的にチェックする必要があります。

サツマイモでよく見かける葉や茎の変化は、「葉が褐色（茶色）になる」「葉や茎がしおれる・枯れる」「葉に穴があく」などが挙げられます。

サツマイモの葉の状態（症状）で考えられること

「葉が褐色（茶色）になる」場合は、早く植えすぎて寒さに会ったことが関係していると考えられます。

「葉や茎が枯れる、しおれる」場合だと、乾燥が酷い場合や茎や根に障害が発生しているサインだと推測できます。

害虫が発生した場合は、「葉に穴があく」ことが多いです。

もし、自分で判断するのが難しいようであれば、先輩農家や技術指導員に相談しましょう。

畑全体に被害が及ぶ前に対処しないと、やがて手に負えなくなります。

以下の動画で圃場全体が病気にかかった農家さんの事例を紹介します。

ツル割れ病の症状

日中に葉がしおれてきますが、最初のうちは夜には元に戻ります。

地際の茎の部分が乾燥してひび割れが見られます。やがて生育が遅延し、全体が黄色くなって枯れてきます。

立ち枯れ病の症状

定植してから早い時期に苗の葉が黄色くなって落葉します。地際部の茎が細くなり茶色に変色し、症状が進むと枯れ始めます。

斑紋モザイク病の症状

生育初期に葉の葉脈の間に丸く並ぶように淡い黄色の斑点が生じ、まわりが紫色に変わります。

真夏には症状が消えてしまいます。イモの皮色が薄くなったりするので品質が劣化します。

サツマイモの病気が起こる原因

サツマイモは日照不足や排水不良などの影響を受けやすいことでも知られています。

とくに梅雨の時期や台風などの荒天時などは、こまめに状態を確認するのがいいでしょう。

実際にサツマイモが病気になる原因は、大きく「病原菌によるもの」「ウイルスによるもの」「害虫によるもの」の3種類にわけることができます。

糸状菌とはカビの一種、放線菌とはバクテリアの仲間で、根から感染してしまいます。

害虫については、代表的なナカジロシタバやイモコガをはじめ、ハスモンヨトウムシやコガネムシ、ネコブセンチュウ、ハリガネムシなどの被害が知られています。

異変を感じたら、すぐに原因を把握して対処しましょう。
　

病害対策についてはこちらもご覧ください
「サツマイモの主な病気が知りたい！原因も教えて」
「サツマイモ基腐病の発生原因と防除方法を教えて」
「サツマイモの黒斑病（こくはんびょう）の症状と防除方法を知りたい」
「サツマイモの根（塊根）から病気を確認するポイントは？」

このお悩みの監修者

山川理

山川アグリコンサルツ代表、農学博士

京都大学農学部卒、農学博士。農林省九州農業試験場では、サツマイモやイチゴの新品種を多数育成。1996年日本育種学会賞。1998年農林水産大臣賞。山川アグリコンサルツ代表として、食品関連企業の顧問や地域の活性化アドバイザーとして活躍。千葉大学園芸学部非常勤講師。『サツマイモの世界世界のサツマイモ: 新たな食文化のはじまり』など著書多数。

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