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しいたけ栽培で原木を浸水させる方法が知りたい

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しいたけ栽培で原木を浸水させる方法が知りたい

普段は野菜の栽培を行なっていますが、圃場の空いたスペースで、しいたけの原木栽培をはじめました。

近所の農家さんから栽培方法を教わり、独学で勉強しながら行なっていますが、ほだ木の浸水方法がイマイチよくわかりません。

具体的に、どのように水やりをすればうまくいくのか、教えていただけないでしょうか。

大賀祥治

九州大学 名誉教授、中国吉林農業大学 教授

目的により量や時期も変わるので、品種ごとの特性に応じて散水しましょう

しいたけ発生のメカニズム



しいたけの生産には、乾燥状態で流通する「乾しいたけ」と、生のままの「生しいたけ」があります。

乾しいたけと生しいたけでは、キノコが発生するメカニズムが異なり、水分管理にも違いがあります。


乾しいたけの浸水


乾しいたけは、本伏せからほだ場に移動させ、ほだ木内に菌糸がまん延することで、外樹皮下に原基(キノコ本体の基となる菌糸が結合した塊)が形成されます。

そして、ほだ木が水分を吸収し、低温刺激を受けるとキノコが発生します。

もし雨が降らなくても、散水設備があれば安定して発生します。


生しいたけの浸水

一方、生しいたけの場合、はじめにほだ木を浸水させる必要があります。さらに原木に水と刺激を与え、安定してキノコが発生するよう促します。

これは浸水打木と呼ばれ、ほだ木をたたくと良い刺激になって発生が促進されます。また雷や台風が刺激になり発生が促進されることも昔知られています。

浸水時間は6~24時間が目安で、古いほだ木ほど長時間、たくさん給水します。


しいたけを浸水させるために必要な設備


しいたけの原木栽培の場合、自然栽培であれば、それほど大掛かりな設備がなくても栽培が可能です。

しかし、乾しいたけを作るのであれば乾燥機が必要になります。

一方、生しいたけを周年栽培する場合は、ハウスや浸水槽、休養設備などが必要になります。


水やり・浸水の基本


しいたけ菌糸の成長、原基(原基の形成、子実体(キノコ本体)の成長のためには、散水が欠かせません。その目的により量や時期も変わるので、品種ごとの特性に応じて散水する必要があります。

基本的には、原基が形成される9月~10月頃、芽切り(原木からキノコが出現すること)と子実体の成長を促すために散水します。

散水については、こちらの記事もご覧ください
しいたけの原木栽培での水やりはどうすればいいですか?


さらに、収穫後の休養期にも散水する必要があります。

ほだ木は、収穫の回数を重ねるごとに回復に時間を要します。そのため、休養期間の環境や管理が大切です。

水分を与えすぎるのも、乾燥しすぎるのもよくないので注意しましょう。

しいたけの原木栽培の方法については、こちらの記事をご覧ください
しいたけの原木栽培について育て方を教えてください

このお悩みの監修者

大賀祥治

九州大学 名誉教授、中国吉林農業大学 教授

農学博士。専門は、きのこ学、森林資源学。とくに食用・薬用キノコの生理特性や生産技術、森林の木材腐朽菌および菌根菌を研究し、九州大学発ベンチャー企業「株式会社マッシュピア」「ヒマラヤンバイオ・ジャパン株式会社」の各々会長、代表も務めている。

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