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クルマエビの養殖はどのようにして行われていますか?

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クルマエビの養殖はどのようにして行われていますか?

これまで陸上施設で養殖を行ってきましたが、海面養殖に興味があり、転職を考えています。

しかし、海で仕事をした経験がないので不安な気持ちもあり、どうしようかと悩んでいました。

そんな時、知り合いから「まずは海岸にある養殖場で働いてみたら?」とアドバイスされました。

そういえば隣の県にクルマエビの養殖場があったことを思い出して、興味が湧いてきたのですが、これまでは魚の養殖に携わってきたので、エビを育てた経験がありません。

どのような作業をしているのか、イメージを掴んでおきたいので、教えてください。

中平博史

全国海水養魚協会 専務理事

クルマエビ養殖は、稚エビを飼育池で出荷サイズになるまで育てます

クルマエビの特徴や習性


クルマエビは淡水エビの一種であり、主に日本や東アジアの河川や湖沼に生息しています。

クルマエビは体長が約3~15cm程度あり、透明感のある体色や特徴的な黄色やオレンジ色の縞模様があります。

車海老の名前の由来は、背中を丸めた時の縞模様が車の車輪に似ていることが由来と言われています。

クルマエビはブリと同じく呼び名が変わる出世エビで、サイズによって「サイマキ(5~6cm)」「マキ(10cm)」「クルマエビ(10cm以上)」と呼ばれます。

商業ベースに乗っている甲殻類としては唯一の養殖エビで、古くから高級品として人気が高いエビです。


クルマエビを養殖する際のポイント


クルマエビの養殖は、種苗の生産から開始します。

採卵した卵を種苗槽で稚海老になるまで育て、体長が15mm程度になったら養成池へ移します。

飼育池では収容密度に注意して、餌やりや水質の管理を行います。

クルマエビは、水温が低い時期は砂に潜ったまま出てこずに餌を食べない習性があるため、水温が上がってきたタイミングで給餌を開始します。

クルマエビに与える飼料はEP(エクストルーダーペレット)を用いるのが一般的です。

EPとは、主に魚粉、魚油、栄養剤などを配合した飼料で、水に入っても崩れにくいという特徴があります。

しかし、過剰に餌を与えすぎると水質を悪化させてしまう可能性があるため、適切な量と頻度で餌を与えましょう。

体重が20gほどに成長すると出荷サイズとなるため、間引き出荷を行います。

クルマエビは、生きたままおが屑を敷き詰めた包装にいれて出荷する水無し輸送も可能です。

このお悩みの監修者

中平博史

全国海水養魚協会 専務理事

全国海水養魚協会の専務理事や一般社団法人マリン・エコラベル・ジャパン協議会の理事を務める、魚類養殖業のプロフェッショナル。養殖水産物の輸出や赤潮などの環境保全対策活動にも携わっている。

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