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底建網漁業とはどんな漁法なのでしょうか?

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底建網漁業とはどんな漁法なのでしょうか?

これまで関東地方で定置網漁をやっていましたが、北海道へ移住して漁師になろうかと考えています。

情報収集をしていたところ、北海道では「底建網」という網型があると知りました。

これまでの経験を生かしつつ、新しいことにも挑戦できるなら、やってみたいと思います。

底建網漁業とはどんな漁業なのでしょうか?

石戸谷 博範

海と定置網の研究室

底建網漁業は、海底に網を仕掛け、魚が入ってくるのを「待つ」漁業です

底建網漁業とは?


定置網漁は海の表中層に網を仕掛けるのに対し、底建網漁は海面から見えない海底(水深約15〜60メートル)に網を仕掛けて魚を漁獲します。

定置網と同じように、仕掛けた網に回遊魚を呼び込む、「待ち」の漁法です。

魚捕り部である「溜まり」と、左右に延びた「身網」、「垣網」によって構成されており、ドラムロールによってロープを巻きあげ、溜まりに入った魚を船に取り込みます。

しかし、表中層定置網と異なり、魚捕り部の揚網前に、溜まり網全体を海底から海面へ引き揚げる作業が必要になります。

定置網漁は基本的に「大型・小型定置網漁業」に属していますが、底建網漁は「第二種共同漁業権」や「知事許可」で行われることもあります。

底建網漁業の仕組み

底建網漁業の操業場所


底建網漁業は、昭和の初期ごろに青森県の深浦町大戸瀬地区で行ったのが始まりだと言われ、当初はカレイの漁獲を目的に行われていました。

そのためか、現在でも底建網漁の多くは北海道や青森県、秋田県の漁場で行われています。

また、以前には島根県松江市などでも試験操業が実施され、沿岸漁業の漁場の有効利用として、底建網漁の活用が実験されています。


底建網漁業の操業時期と獲れる魚


獲れる魚は地域により異なりますが、北海道ではホッケやカレイ、ヒラメ、青森県ではカレイ、ヒラメ、タラ、アンコウ、秋田県ではアンコウ、カレイ、ヒラメなどが漁獲されています。

操業時期は4月~12月に行われることが多く、30日~90日ほど操業しています。

底建網漁業では、少量で魚価の高いヒラメやキアンコウなどの底棲性魚類を漁獲できますが、資源管理のために禁漁期間が設定されていることもあり、資源と漁獲のバランスを見ながら漁を行うことが大切です。

このお悩みの監修者

石戸谷 博範

海と定置網の研究室

定置網漁業学の専門家。2009年水産海洋学会より「相模湾における急潮と定置網漁業防災対策に関する研究」で宇田賞を授与。定置網漁業に関する国、地方、業界の各委員を務め、日本沿岸各地の地域活性化に取り組んでいる。博士(東京大学農学)。

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