定置網の欠点について教えてください

天候などの影響で漁獲量が左右され、漁具が壊されるリスクもあります

定置網漁の欠点

江戸時代に回遊魚を漁獲するため、定位置に大敷網や台網を設置していましたが、魚が入りやすい反面、非常に出やすいという欠点もありました。

その後、明治時代に入り日高式大謀網、上野式大謀網が主流になり、大正末期に現在の定置網の基となった「落し網」が登場しました。

網から出やすいという欠点は改良が続けられ、今では獲りたい魚を選べる漁業にまで発展しました。

しかし、定置網は回遊魚を待つという本質は変わらないため、気候や海況などの影響で漁獲が不安定になるという課題は残っています。

天候

天候不良や急潮は漁獲量が不安定になるだけではなく、災害級の荒天時には網が壊れたり流されてしまう可能性があります。

もし網が壊れてしまうと、網の大きさにもよりますが復旧するのに何億円もかかる場合があります。

また、台風の直撃が想定される場合には、網揚げ作業と台風通過後の網入れ作業に時間と労力がかかります。

ジュゴン

沖縄等の一部地域では、定置網とジュゴンの関係性を指摘する声があります。

ジュゴンの主な死亡要因として定置網が関係しているという意見があり、問題視する人もいます。

沖縄県は「ジュゴンレスキューマニュアル」を作成し、引き上げ時にジュゴンが入っていないか注意し、ジュゴンが入ってしまった場合には逃がすという対策を行なっていますが、こういった海の生物と共存していく意識を持たなければいけません。

定置網漁の欠点と利点をしっかり比較した上で定置網漁を始めましょう。

定置網のメリットについてはこちらをご覧ください
「定置網漁のメリットが知りたい」