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青枯病にベンレートはどれほど有効ですか?

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青枯病にベンレートはどれほど有効ですか?

最近、育てているなすが青枯病になってしまったようです。

そこで対策としてベンレートの使用を考えていますが、作物への影響や青枯病の効果はどれほどのものでしょうか。

使用方法や注意点があったら教えてほしいです。

李 哲揆

データサイエンティスト

青枯病の治療にベンレートは無効。ただし他の病気の予防効果が期待できます

ベンレートとは


ベンレートは、主にカビによる病害に効果のある殺菌剤です。

ベンレート水和剤として発売されており、茎葉の病害、貯蔵病害、種子伝染性病害、土壌病害などの治療から予防まで幅広く使えると人気です。

含まれている成分は「ベノミル」です。

最近ではかなり普及しているため、専門的な資材店へ行かずとも近隣のホームセンターなどで購入することができます。

現在、公開されている適合病害や植物病害は、いもち病、ばか苗病、苗立枯病などです。

また、ベンレートはなす以外の野菜はもちろん、稲や豆類、花などさまざまな植物に対して有効性が確認されています。


青枯病対策におけるベンレートの効果


植物病害の8割はカビが原因であり、ベントレーとはカビを標的とした農薬であるためほとんどの病気に有効です。

しかし、青枯病は細菌が引き起こす病害なのでベンレートは効きません。

青枯病はなすやトマトなどの野菜に多く、一度発症してしまうと進行を止めることができない土壌病害です。

現在も有効な農薬は開発されておらず、発症した株は残念ながら速やかに圃場から除去してしまうほかありません。

なす栽培において、ベンレートはうどんこ病や半身萎凋病、灰色かび病といったカビや卵菌などが原因の病害予防として使用するのが最適です。

青枯病には効きませんが、こうした病害を総合的に予防するために、ベンレートの使用を検討してみてはいかがでしょうか。


カビなどの病害におけるベンレートの使用方法


ベンレート水和剤は、薬剤を一定量の水に溶かして植物に散布します。

この時、規定の濃度より濃くても薄くても効果が発揮できないので、しっかりと濃度を計る必要があります。

病気や使用する植物の種類によって濃度が異なるので、必ず確認してください。

また、なすのように水を弾いてしまう植物には、展着剤との併用がおすすめです。


ベンレートを使用する際の注意点


ベンレートは農薬ですので、使用の際は注意が必要です。

規定濃度を守る


前述の通り、決まった濃度を守らなければ、野菜の変色や生育抑制などの障害が発生する可能性があります。必ず規定の使用方法を守りましょう。


使い続けない


薬剤を連続して使い続けると、薬剤に耐性を持つ菌が出てくる可能性があります。

なるべく作用が異なる薬剤を組み合わせて使うのが望ましいでしょう。

低濃度とはいえあくまで農薬なので、作物への影響も考慮して使用は最低限で抑えておきたいところです。


皮膚へ直接触れないようにする


ベンレートは農薬なので、皮膚や眼には刺激になります。

散布する際は、風のある日は避け、長袖を着用するなどといった対策を行いましょう。


使い切る

ベンレートは、水生生物への悪影響が確認されています。少し残ってしまったからといって、川に流したりすると環境破壊につながります。

必ず使い切るようにしましょう。

このお悩みの監修者

李 哲揆

データサイエンティスト

名古屋大学大学院生命農学研究科にて博士(農学)を取得。東北大学、東京大学、理化学研究所などを経て、2018年からは東京農工大学生物応用システム科学府にて助教を務める。主な研究テーマは土壌微生物を用いた環境に優しい農法の開発。2021年4月から民間企業でデータサイエンティストとして働く。

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