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2021.09.07

肉用牛を納入する際に背脂が大量に出る。捨てずに有効活用したい!

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肉用牛を納入する際に背脂が大量に出る。捨てずに有効活用したい!

青森県で、肉用牛を育てている50代です。牛を納入する際にはスライス加工等をするのですが、できるだけ背脂は厚めに残さないようにしています。

脂をうまく厚めに残すと、その分だけ儲けも出ます。ですが、結局は市場の担当者の作業が増え、無駄になって廃棄される背脂が出るだけです。そこで私は、可能な限り担当者の希望を聞いて背脂を切り取ってから納品するようにしました。その結果、とても喜んでいただけました。

しかし、問題は背脂の処理です。以前は肥料として使ってもらっていましたが、2000年代にBSE問題が出てからは禁止となりました。それ以来、ずっと捨てている状態です。もったいないですが、周囲の同業者に聞いても、背脂の有効活用は誰もしていません。なんとかうまく活用していきたいのですが……。

豚の背脂を活用した調味料が商品化されていることは知っているので、私もダメ元で地元の食品メーカーに相談してみようかとも考えています。最新の背脂の有効活用事例がありましたら教えてください。
(青森県・佐藤さん/仮名・50代)

COMMENT

松田恭子

株式会社結アソシエイト 代表取締役

需要があるので、一般家庭向けに売ったり飲食店や惣菜店向けに販売することも可能です

インターネットで料理レシピサービス「クックパッド」にアクセスし「牛脂」を検索してみてください。見ていただくとわかりますが、スープ、ハンバーグ、カレー、炒飯、コロッケ、ステーキなど、いろいろな料理のコクを出すために牛脂が使われています。

このように、一般家庭でも牛脂の需要はあるので、インターネットで販売している生産者もいます。

もともと、牛脂は食用加工油脂業者が精製して、カレールウの原材料やフライ用の油脂として使われており、2021年4月の国産食用加工油脂向け牛脂は85円/kgで取引されています。

石鹸メーカーが1〜3月期に工場を停止していたことで価格は下がりましたが、ファストフードやカレールウの需要はコロナ禍でも健在のようです。

そのため、消費者向けのインターネット販売だけではなく、地元の飲食店や総菜店のお惣菜調理向けに販売するという手もありそうですね。

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加藤武市

加藤技術士事務所

「オレイン酸が多い」という特徴を活かした、新しい商品の開発が期待されています

牛脂とは牛の脂を精製した食用油脂のことです。常温では固体で、カレー製品をつくる際に多く用いられます。

豚脂(ラード)や羊脂などと同じく動物性油脂の一種で、見た目は似ていますが、豚脂の方が牛脂よりもやわらかく、溶けやすいです。

牛脂の融点は摂氏35~50℃と低いので、湯煎ですぐに溶けます。また、牛脂はオレイン酸が植物油脂類(大豆油など)よりも多く、オレイン酸の含まれる割合が高い肉ほど旨味があるため、カレー製品をつくる際に使われているのです。

しかし、牛脂の食品メーカーでの使用は、年々減少している傾向にあり、BSE(牛海綿状脳症)牛騒動以来、牛脂からパーム油に切り換えたメーカーも少なくありません。

とはいえ、ただカレーの風味に牛脂は適しており、牛脂利用のカレールーは健闘しています。

また、牛脂から得られる液状の油脂は、良好なコク味と風味を食品に与えることができるので、その特徴(オレイン酸が多い)を活かした特許申請や新しい商品が開発される可能性もあります。

現在でも、兵庫県加古川市の精肉加工会社が、神戸ビーフの牛脂を使用した台所用の石鹸を販売しています。霜降り肉のようなデザインで、泡立ちもしっかりしているので、1個3,500円(税込)と高額ですが、普段使いだけでなくお土産としても購入してもらえる商品です。

牛脂をそのまま売るのであれば、特に牛肉料理との相性が良いので、すき焼きやステーキ、肉じゃがやコロッケ、チャーハンなどにも旨味を加えることができます。

コロッケを作る場合は、具材を炒めるときに牛脂を使用すると良いです。こういった家庭向けの販路開拓もひとつの方法でしょう。

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