露地栽培で多品目の野菜を育てています。いままでは黒マルチを中心に活用してきましたが、使用後の廃棄の手間やコストが大変です。
かといって生分解性マルチを使うとしても、価格が高いので導入するには悩ましいところです。
どうしたものかと考えていたところ、知人の関係で不要になった竹チップを有効活用したいと考えている竹林整備の会社があると聞きました。
県から交付金をもらって地域のNPO法人と一緒に里山の保全を進めているそうですが、竹専用粉砕機で出た竹チップが大量に出すぎて処分に困っているそうです。
竹チップは理屈的には黒マルチの役割を充分果たしてくれそうですし、すごく可能性があるような気がしているので、マルチフィルムの代用品として導入しようと考えています。
効果について聞いたところ「わからない」と返事がきたのですが、実際に有効でしょうか?
(茨城県・吉田さん/仮名・50代)
櫻井杏子
株式会社INGEN 代表取締役
竹マルチは夏野菜、黒マルチは冬野菜などに有効です
竹廃材を使ったマルチは、調湿性に優れ、なかでも粉砕機で細かく粉状にした竹パウダーは土壌物理性改善(耕しやすさ、水はけ、土の重さ、空気の通りやすさなどの改善)に有効です。
土中で善玉菌を活性化させて悪玉菌を抑制するような土壌生物性改善にも一役買います。
一方で、黒マルチはその名の通り「黒」であることで得られるメリットがあります。それは「黒」によって太陽光の熱エネルギーを集めることで得られる保温性や遮光による雑草の繁茂防止効果です。
それぞれの特性を活かした使い方をするとなると、竹マルチは夏野菜やハウス野菜、あるいは果樹にお使いいただくのがおすすめです。
黒マルチは冬野菜や春先の育苗時期に適していると思います。
また、生分解性マルチは、製品単独のコストで考えると既存のマルチより高く感じるかもしれませんが、廃棄にかかる手間も含めたコストで考えると悪くない選択肢だと思います。