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竹が道路にせり出しているのに自治体が対応してくれない。他の集落ではどうしていますか?

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竹が道路にせり出しているのに自治体が対応してくれない。他の集落ではどうしていますか?

岡山県北部の山間部にある町で、年金をもらいながら米や野菜を育てています。

私だけではなく集落のほかの人も困っていることがありまして、田畑や墓などへ向かう際に、道路に竹がせり出しており、通行がしにくい、もしくはできないという地帯が増えてきて困っています。

先日も畑に行こうと軽トラを出したところ、竹林が道路にはみ出している場所に出くわし、車幅ギリギリのスペースを運転するのに苦労しました。

自治体から市に要望は出していますが、竹林の持ち主と連絡がつかないとか、持ち主が亡くなっていて所有者が複数になっている、所有者が不明な山林なども多いそうです。

市からは「所有者がある山林は持ち主に依頼してください」と言われています。

ただ、正直なところ、「所有者が見つからない、連絡がつかない状態でどげすればいいのか!」と思っています。

よそさまの土地の竹林を自分たちで切るのは、気持ちとしてやりにくいですし、住民も高齢化しているため、自分たちで作業するのも難しい、業者に頼むとお金がかかり、多くが年金暮らしの集落ではそれも大変ということで、どうすればいいか考えあぐねています。

他の集落さんでは伸び放題の竹林に対し、どのように対応しておられるでしょうか?
(岡山県・山本昭さん/仮名・70代)

大村大輔

大測森林緑地事業部【アカリノワProject】

竹林の地権者をわりだして整備許可を取る。農業団体や町内会長などとタッグを組んで対処しよう

放置山林、放置竹林の問題は全国どこでもあり、竹林の場合は、農地法が絡んでくるので、行政が手を出しにくい状態です。僕らが静岡県で、相談を受け行った方法を教えます。

まず竹林の場合、どこが誰の土地か境界を明確化するのは非常に難しいです。地主に働きかける際、相談者もおっしゃっているように、地主が遠隔地に住んでいるケース、地主が死亡しているケース、地主がわからないケースなど、さまざまな事情があります。

ですが、昔の農地帳簿の記録や地図などの資料があれば、地権者が割り出しやすくなりますし、法務局で調べることもできます。

時間はかかりますが、一人一人の地権者に「あなたが所有する竹林が道路を塞いでいる。台風などで倒れて事故を起こした場合、管理責任を問われる恐れがあります」と直接交渉、整備の許可を取付けていく必要があります。

これは行政はやってくれません。個人では無理で、その地区の農業団体や町内会長さんなどチームでやっていくことが肝心となります。この活動には林野庁の補助金として「森林・山村多面的機能発揮対策交付金」という制度があります。

僕らのような団体や、業者に依頼して、竹林を伐採しても、竹はすぐ伸びてきますので、無理なく続けることが大事です。アカリノワprojectでは、伐採した竹を利用して、竹炭を作って売り、活動費にあてています。

長野県の「モキ製作所」が開発した「無煙炭化機」を導入したことで、誰でも手軽に竹炭を作ることができます。

これは持ち運ぶこともできるので、農道まで運んで行って、伐採した竹をその場でボンボン燃やせば、1日でドラム缶1個分くらいは簡単にできます。非常に品質の良い高付加価値の竹炭ができ、炭はカーボンオフセット(CO2)削減にも結びつくサステナブルなものです。

いずれにしても、放置竹林の問題は全国各地で起こっており、地域の問題として取り組んでいかなければなりません。

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坪野克彦

フォレスト・ミッション

個人で動くよりも、組織だった対応をする方が望ましいです

竹林の問題は、各地においてさまざまな形で深刻化しています。日本では「孟宗竹」という中国由来の竹が多いのですが、これが、特に里山などで増殖して、生態系やご質問のように、道路のような社会基盤の維持にも悪い影響を及ぼしています。

また、見た目も「山がいかにも荒れている」という印象を与えて良くありません。

ご質問は、他人の山の竹林が道路にせり出して、通行の支障になっているとのこと。

まず、これが公道であれば、管理の主体である市や県で対処をしなければなりませんが、私道だとそうもいきません。ただ、林道の管理は、一義的に市町村がすることになっています。

ところで、2019年から財源を森林環境譲与税を財源として「森林経営管理制度」というものが始まり、このようなケースに、この制度が適用されるのかどうか、国から市町村に、森林整備のための一定の交付金が給付されています。

このようなケースに適用されるのかどうか、市町村で対応も違っていますので、関係部署に確認されるといいと思います。所有者の特定についても、地元の森林組合と連携して、調査をしてくれる可能性がないとはいえません。

この法律では、所有者が特定できなくても、官報などで告知をして一定期間経過すれば、行政の方で執行できるとされています。

個人で動くよりも、組織だった対応をし、くれぐれも、邪魔だからといって、自分たちで勝手に人の山に入って伐採するというのは、不法侵入などの犯罪になりますので、お控え下さい。

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