京都府で京野菜である、かぶら(聖護院蕪)を栽培しています。作付面積はかぶらだけで20アールほど。収穫したかぶらは、漬物屋に卸しています。
しかし、最近は歳のためか農作業が辛くなってきています。
特に、かぶらがたくさん入ったコンテナは1つ15キロを超える重さなので、持ち上げて圃場の外や軽トラの上まで持っていくのが大変です。
そこで、先日展示会で見たアシストスーツを使ってみたいと考えています。
アシストスーツがあれば、コンテナや収穫物を持ち運ぶのもかなり楽になり、まだまだ農業を続けていけそうです。
ただ初めて導入するので、アシストスーツを実際に使用した際の注意点などがあれば教えてください。
(京都府・神原さん/仮名・70代)
逢坂大輔
株式会社シーエフロボタス
アシストスーツは、いつもの作業に合ったタイプのスーツを選びましょう
カブのように重量のある野菜の運搬については、他の露地野菜を栽培されている農家の方からもよく相談される内容です。
収獲コンテナ1個あたりの重量を減らしても、運ぶコンテナの数が増えてしまうので、繰り返しの作業としてはやはり負担がかかるかと思います。
ご相談のアシストスーツですが、現在はモーターのついた動力があるタイプと、モーターのない動力なしのタイプにわけることができます。
持ち上げ作業のアシストをしてくれる点でモーター式や空気圧式が注目されがちですが、初めて使用されるのであれば、動力のないタイプもおすすめです。
動力のないタイプは、作業時の腰の筋肉の負担軽減に加えて、腰部分の椎間板にかかる圧力を軽減してくれる作用も併せ持っています。
連続した持ち上げ作業では、前屈み姿勢になることで繰り返し椎間板に圧力がかかってしまい、筋肉よりも深い部分を損傷してしまうことが危ぶまれます。
特に70歳を超える方には若い時と同じやり方では負担が大きすぎることになります。
これまで負担になっていた農作業を楽にして、永く続けていけるようにアシストスーツを試してみて下さい。
複数のメーカーがタイプの違ったアシストスーツを開発しています。多くはお試し利用が出来たり、レンタルができるタイプのものもあります。
しばらく使用してみて自分の身体や作業での動きに合ったアシストスーツを選ぶことがポイントです。
装着については、数十秒で装着が完了するものがほとんどです。
着用時の違和感についてはコルセットやサポーターのように身体にフィットする感じになります。
モーター式の動力があるタイプでは少し重量がありますので、身に着けている感覚は増えるでしょう。
選び方の注意点としては、いつもの作業に合ったタイプを考えてみる事が大事だと思います。
コンテナが数十キロで100箱ほどの作業であれば、動力ありタイプのアシストスーツが良いでしょう。
一方で、中腰での姿勢が多く、コンテナを持ち上げる高さが腰まであたりであれば、動力なしタイプのアシストスーツで良いと思います。
椎間板への圧力を減らすためにも過度な前屈みを防いでくれる機能をもった外骨格タイプがおすすめです。
農業に従事されている方のように身体が資本の働く人たちには、アスリートの様に身体の事を理解してケアをする習慣をつけていただきたいと願っています。
繰り返しの持ち上げ作業にはアシストスーツをぜひ試してみてください。