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りんごの「高密植わい化栽培」は本当に手間が少ない?

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りんごの「高密植わい化栽培」は本当に手間が少ない?

広島県で、りんごを栽培しています。「ふじ」「秋映(あきばえ)」「ぐんま名月(めいげつ)」などの品種が主力です。

まもなく還暦になるので、肉体的にも作業が辛くなってきました。

特に、春から秋にかけて何度も行う草刈りや薬剤散布が体にこたえます。

なんとかして手間を少なくしたいと思っていたところ、「高密植わい化栽培」のことを知りました。

手間も少なく収穫量アップが望めるということで、青森県では本格的に取り組み始めたようですね。

樹を小型に仕立てる従来の「わい化栽培」とは異なり、いままでの常識とは異なるという栽培方法らしいのですが、基本的な技術やコスト、どの程度手間が省けるのか知りたいです。

広島でもりんごの栽培をやっている農家はありますが、まだまだ情報が少ないのが実情です。

「高密植わい化栽培」に関しては、10年ほど前に長野県で同様の取り組みが行われたときには「話と違うではないか」「まったく回収できななかった」という声があったとも聞いています。

そのあたりの変化も含めて最新情報を教えてください。
(広島県・藤井さん/仮名・40代)

青森県産業技術センター りんご研究所

青森県産業技術センター りんご研究所

高密植わい化栽培は初期投資がかかるが、作業が効率的になるので、大規模農家向きです

高密植わい化栽培の研究は、青森県でも始まったばかりです。農林水産省が収穫量アップを見込んで推し進めており、補助金も出しています。そのため、青森県の農家さんでも始める人がポツポツと出てきていますが、研究自体は日が浅く、数年前に始まったばかり。

高密植わい化栽培の特徴は、植栽本数の違いです。通常のわい化栽培(果樹の高さを低くし、植え付けの密度を密にして栽培する方法)だと一反約100本植えるところを、3倍の約300本植えることができます。そのため、収穫量の増加が望めます。

反対に、弱々しく育てるので、支柱を壁状にセットする必要があります。使用する苗も、特殊なフェザー苗(羽毛状枝や新しい梢などが発生した苗)といわれるものです。値段は通常の1.5倍ほどかかるので、現状では一反約200万円ほどとなり、初期投資がかさんでしまいますが、国の補助事業を活用できます。

木が巨大化せずに垣根状に生えるため、機械が導入できますし、高度な剪定(せんてい)を必要とせず、画一的な作業ができて効率的です。どちらかというと、大規模生産には向いていますので、海外では広く普及しています。

青森県では、雪への耐性が懸念されており、小規模な農家が多いので、初期費用がネックになっています。とはいえ、これからますます農家さんの高齢化が進み、労働力が低下してくることを考えると、効率化という面では大きなメリットがあるのではないかと思います。

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