遊休地をお借りしながら、1ヘクタール程の田んぼで米農家を経営しています。
カメムシ対策のことでお聞きします。うちの田んぼの隣は元々、お年寄りの方がやっていた水田なのですが、昨年、不慮の事故で亡くなってしまったことで、いまは耕す人がおらず、荒れ放題になっています。
耕作放棄された田んぼには、ヒエなどの雑草がかなり生えてしまい、カメムシの温床になってしまっています。
隣の農地を持っている親族からは、草の処理を有償でお願いしたいと依頼されたのですが、いま草を刈ってしまうと、カメムシが私の圃場に飛んできてしまうのではないかと心配です。
しかし、このまま放置しておけば、カメムシが増えてしまい、結局のところ、うちの田んぼにもやって来るのでないかという心配もあり、一体どうすればいいでしょうか?
(京都府・遠藤さん/仮名・40代)
佐々木茂安
日本のお米をおいしくしたい。佐々木農業研究会代表/農業経営技術コンサルタント
稲が出穂していると、雑草を刈り取るとカメムシが稲の穂につく可能性があります
ご質問は、今日的課題だととらえております。
問題はカメムシが多いということが前提になり、本年は特に多いと言われていますが、京都はいかがでしょうか?
カメムシは、主にタンパク質を求めています。従って、基本的に雑草につきます。
しかし、雑草が早く成熟して食べ物がなくなると、稲穂にくっつくので、これが斑点米の原因になります。
今の時期(回答時は8月上旬)は、既に雑草が出穂し、早いところでは稲も出穂しているので、雑草を刈り取ると、ご心配のように雑草地のカメムシが稲の穂につく可能性があります。
周辺の圃場で、出穂までまだ時間があるようなら、そのまま刈り倒しても問題ないでしょうが、出穂しているようなら、先に雑草地を防除してから刈り倒すことを検討しても良いと思います。
ただ、雑草地の刈り取りを依頼されただけなら、土地の所有者にご理解いただいて、農薬代を経費に含めても良いのではないでしょうか?
農薬の使用にあたっては、使用地は水田であること、あとは周辺へのドリフト対策にご留意ください。