最近定年退職し、これから農業を本格的に始めようと思っています。
まずは、親父が長年耕作していないまま放置している20アールほどの農地を再生するところから取りかかっていますが、そこには、セイタカアワダチソウやススキなど地下茎で増える多年生の雑草が覆っています。
とりあえず草払い機で刈り取るところまでは行ったのですが、このまま耕うんして地下茎を掘り返し、それを拾い集めて廃棄しようと考えています。
この方法で多年生雑草の再生を食い止めることはできるのでしょうか?
できないとしたら、どのような方法で退治したらよいでしょうか?
(京都府・片山一郎さん/仮名・60代)
NPO法人 緑地雑草科学研究所
NPO法人 緑地雑草科学研究所
地下で広がる多年生雑草に対しては、初期であれば地上部を刈り取り、地下茎を除去しましょう
地下で広がる多年生雑草(今回のケースではセイタカアワダチソウとススキ)に対して、侵入初期であれば地上部を刈り取って、地下茎を除去する方法は有効な手段です。
セイタカアワダチソウ、ススキとも地表から10㎝までの深さに根茎の大部分が分布しており、深い位置まで埋没(セイタカアワダチソウの場合は50㎝)させると出芽が抑制されますので、耕起も有効な手段と言えるでしょう。
また、ススキ単体の繁茂であれば、刈り取りや踏みつけによる地表部の損傷に弱く、他の根茎を持つ植物と比較すると再生力も劣るため、年2回以上の刈り取りで衰退していく、との報告もあります。
ただし、セイタカアワダチソウの方は刈り取りで分断された断片からの再生が旺盛であり、耕運、地下茎の掘り返しとそれを拾い集めて廃棄という方法を行なっても、回収し忘れた断片があると、かえって増えてしまうことにもつながりますので、いったん繁茂した後の対応は根気が必要です。
これらの防除にはグリホサートなどの移行性の高い茎葉処理剤の施用が有効です。地下茎の広がりによっては1回の処理での根絶は困難なため、再生の様子を見ながら繰り返し散布を行ってみてください。
参考までに、農研機構様のサイトにて「多年生雑草が優先した耕作放棄畑の復元方法」が報告されています。