サラリーマンを定年退職してから、両親が営んでいた農地を受け継ぎ農業を始めました。
私自身74歳を迎え、自身の年齢や跡継ぎがいないことから畑は4反まで縮小。
そこで、そらまめ、グリーンピース、玉ねぎ、とうもろこし、トマト、きゅうり、なす、ピーマン、ゴーヤ、ねぎ、里芋、唐芋、白菜、大根を季節ごとにローテーションさせながら栽培しています。
本来なら輪作すべきだと思いますが、体力的に厳しく、限られた面積で効率良く農作物を作っていきたいです。
4反の畑を70代の男手ひとつで営農するには、どのように栽培すれば効率が良いでしょうか。
現在、機械は使わず、ほとんど全て手作業で行っております。あとつぎもいないため、今後も新しく機械を導入する予定はありません。
(熊本県・畑野静二さん/仮名・70代)
山下弘幸
株式会社農テラス代表取締役、農業経営戦略家
一人で管理するには4反の畑は広すぎるので、圃場面積を最小まで狭くしましょう
結論から申し上げますと、圃場面積を最小まで狭くすることをご提案します。
誤解されないよう申し上げますが、74歳の高齢者だから面積を減らした方がいいという意味ではありません。
現時点であとつぎがいないなか、お一人で手作業で管理するには、4反の畑は広すぎるからです。
これまで農業を続けてこられたのは、儲けだけが目的ではなく、先代からの引継いできた農業を守ってこられたというお気持ちが強いとお察ししますので、農地を手放すのは忍びないかもしれません。
ただ、今回「極小型農業」をご提案した理由は、ただ縮小するのではなく、ご相談者さんがこれまでやり続けてきた「輪作体系」を維持していって欲しいからです。
実はこの「輪作農業」は、今からの農業の最先端技術になりえると再び注目されています。
そういった観点からも、時代の先を見越して「畑野式輪作作付けレイアウト表」の作成をご提案します。
この表は、輪作を知らない40歳以下の後々農業を続ける若手農家の役に立つことでしょう。輪作技術を極め、それを後進に伝えるのも一つの方法です。
もし晩年を農業に費やされるなら、古い農法でありながら実は最先端の農法である「輪作」を後進への技術の伝達にぜひ力を注いでみてはいかがでしょうか。
農地の売買や賃借は地元の農業委員会が窓口になってくれます。
これからの時間を有意義な人生にされるにはあまりにも大義かもしれませんが、私はとても素敵なことだと思います。