淡路市沖であわびやサザエ、岩ガキなどを採っている漁師です。私たちの地域だけの問題でもないですが、最近レジャーを装ってか、本当にレジャー感覚なのかよくわかりませんが、私たちが漁業権を持つ漁場から勝手に貝を採っていく人たちが絶えません。
現場を見つけるたびに、注意はしているのですが、いっこうに密漁がなくなりません。
漁業権のことをいうと、「なんでお前たちだけ!」と逆ギレされることも多くて、本当に困っています。
こういった場面に出くわした時に、どのように対応したり、説得したりするのが良いでしょうか。
(兵庫県・岸本剛さん/仮名・40代)
麓 貴光
株式会社水土舎 代表取締役
地道な行動が大切。地域と連携した取り組みもあります
三重県桑名市の赤須賀(あかすか)地域では、水質汚染や密漁などが原因でハマグリの漁獲量が激減し、頭を悩ませてきました。そこで、若手漁業者が集まり「赤須賀漁業協同組合青壮年部研究会」を立ち上げました。
ハマグリの復活と次世代の漁業者にバトンをつなぐため、ハマグリの種苗の生産、放流やモニタリング調査、地域住民との交流を図ることで、努力の結果、復活させることができたのです。
しかし、復活したハマグリを狙い、一時は1,000名を超える密漁者が現れました。その中には潮干狩り目的の家族連れの方もいます。ひとり3kg採ると考えても、1,000人で3トンもの量になってしまうので、漁業者にとっては大打撃でした。
こうした密漁を防ぐため、年間20日ほどメンバー総出でパトロールを行い、漁業権が設定されていることや、これまでの努力を告知するチラシを配布しています。
この様な地道な努力によって密漁者は着実に減ってきていますし、漁業者と漁協職員の取り組みを知って、地域住民や三重県漁連、海上保安部や警察もパトロールに協力してくれるようになりました。
現在でも密漁者は後をたちませんが、地道な行動が大切だと考えています。密漁者への声かけや注意看板を設置することはもちろん、地域の方々たちにも応援してもらえるよう、社会科見学の受け入れや親子料理教室などのイベントを行い、地域全体で守っていくことも大切だと思います。