旬の野菜作りを自分のペースで行ってきて10年ほどとなります。経営面でもやっと安定してきましたし、生活にも余裕が出てきました。
これからは、さらに本格的に美味しい作物を育てていこうと思っているところです。
先日、先輩農家さんに「できるだけおいしいきゅうりを作りたい!」と話したところ、「ならば、ブルームきゅうりをやってみたら?」と言われました。
そこでまわりの農家さんにあれこれ聞いてみたのですが、誰もブルームきゅうりを作っている農家はいませんでした。
理由は「見た目があまりキレイじゃないし、あまり日持ちしないから」ということでした。
しかし、そんな農家さんの話を聞いているうちに「なんとかしてブルームきゅうりを作っていきたい!」という想いが強くなってきました。
ブルームきゅうりの栽培方法や注意点などを教えてください。
(三重県・中村さん/仮名・30代)
有限会社三扇商事
有限会社三扇商事
きゅうり1本で生計を立てるなら、ブルームきゅうりはおすすめできません
そもそもブルームきゅうりというのは、単純に普通に栽培したきゅうりなのです。種をまくと自然にブルームきゅうりになります。
通常、スーパーで売られているきれいなきゅうりが、人工的につくられたもので、普通のサイクルで種をポンと落とすと、勝手にブルームきゅうりになるのです。
それが30年40年前の日本の高度成長に、ブルームきゅうりについていた白い粉が農薬に見える、汚れて見えるというので、種苗メーカーとスーパーなどが、ブルーム(白い粉)がつかない、きれいなきゅうりになるよう品種改良したのです。
そのため、現在、市場に出回っているほとんどのキュウリが、ブルームレスになっているんです。
一般的なきれいなきゅうりは、きゅうりの下にカボチャの台木を接ぎ木することで、無理やりブルームレスにしています。
接ぎ木苗には連作障害防止や病気に強い、収穫量を増やすなどのメリットがあります。
ブルームきゅうりは一切そんなことはしないので、病気に弱い特徴があります。しかしその分、皮が薄くておいしい。
家庭菜園で夏に露地で作るきゅうりに関しては、ブルームきゅうりで良いと思うのですが、きゅうり1本で生計を立てたいというのなら、ブルームきゅうりの栽培はおすすめできません。
病気に弱いし、収穫期間が早く終わってしまいます。