普段は野菜を栽培していますが、休ませていた圃場で、サツマイモの栽培をはじめました。
サツマイモはそこまで手をかけなくて良いと聞いていたので、最低限の管理しかせずに、育てていたのです。
それでもツルや葉は立派に育ったので、大きいイモができるかなと楽しみに収穫したところ、イモが小さかったり、実っていないものばかり。
どうやら「つるぼけ」という現象らしいのですが、手をかけずに育てたのがいけなかったのでしょうか。
原因や対策を学んで、次こそはちゃんとしたサツマイモを収穫したいです。
普段は野菜を栽培していますが、休ませていた圃場で、サツマイモの栽培をはじめました。
サツマイモはそこまで手をかけなくて良いと聞いていたので、最低限の管理しかせずに、育てていたのです。
それでもツルや葉は立派に育ったので、大きいイモができるかなと楽しみに収穫したところ、イモが小さかったり、実っていないものばかり。
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山川 理
山川アグリコンサルツ代表、農学博士
サツマイモのつるぼけは窒素成分の過多で発症します。まずは無肥料で栽培しましょう
「つるぼけ」の原因
つるぼけとは「つるや葉はしっかり生長しているのに、掘り上げるとサツマイモが大きく育っていなかった」という現象のことをいいます。
つるぼけが起こると、光合成で作り出される養分が、葉や茎の生長に優先的に使われてしまい、イモに養分が運ばれなくなってしまいます。
その結果、株元のイモが肥大せずにヒョロヒョロと細くなってしまうのです。
サツマイモが「つるぼけ」を発症する原因は土壌の有窒素成分過多です。
「つるぼけ」の対策
一旦つるぼけ状態になると、もう元に戻ることはできないので、十分な注意が必要です。
油かすなど、窒素の多い肥料を与えるとつるぼけを起こしやすくなってしまいます。
また葉用類などの栽培の跡では残肥が多いので、必ず無肥料にしてください。
「無肥料で栽培しているのに、サツマイモができない」という場合は、木炭などカリウム成分の多い肥料だけを使ってみてください。
それでもダメなら、冬に麦や燕麦などを無肥料で栽培し、春に刈り取ってください。
窒素成分が吸収されて取り除かれます。窒素成分の少ない点で腐葉土がおすすめです。
肥料を与える時期についてはこちらをご覧ください
「サツマイモへ肥料を与える時期を知りたい」
このお悩みの監修者
山川 理
山川アグリコンサルツ代表、農学博士
京都大学農学部卒、農学博士。農林省九州農業試験場では、サツマイモやイチゴの新品種を多数育成。1996年日本育種学会賞。1998年農林水産大臣賞。山川アグリコンサルツ代表として、食品関連企業の顧問や地域の活性化アドバイザーとして活躍。千葉大学園芸学部非常勤講師。『サツマイモの世界 世界のサツマイモ: 新たな食文化のはじまり』など著書多数。