じゃがいも栽培で気をつけるべき、青枯病の対策方法を知教えてください

YUIME Japan編集部 / 2023.01.16

分析・管理

#じゃがいも #穀物 #病害虫 #野菜作

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サツマイモをメインに栽培している農家ですが、近くの農家さんが引退するので、農地を借りてじゃがいもを育てようと考えています。

しかし最近、うちの集落では青枯病が蔓延してしまい、じゃがいも農家さんも被害を受けていました。

これから作付けを行いますが、うちのじゃがいもが青枯病にならないよう対策をしておきたいので、予防方法や対策法、栽培時の注意点などを教えてほしいです。

李哲揆

データサイエンティスト

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じゃがいもは年2回の栽培が一般的ですが、特に秋収穫分は青枯病の被害に注意

青枯病がじゃがいもに与える影響

じゃがいもが青枯病にかかってしまうと、主に以下のような症状になります。

・茎の根元が黒っぽく変色する
・茎や葉が緑から茶色に変色する
・葉が青々としたまま枯れてしまう

すでに土の中でイモができている場合は、茎や葉だけでなく、土の中で育ったイモが黒く変色し、腐ります。この時大量の青枯病菌を土壌中に放出します。

症状が出てから蔓延するまでのスピードが速いため、じゃがいもを栽培するうえで特に注意すべき病害です。

じゃがいもを青枯病から守る方法

万が一栽培しているじゃがいもに青枯病の症状が現れたら、放置せずすぐに処分する必要があります。

そのままにしておくと、畑全体に蔓延する可能性が高くなるからです。

感染したじゃがいもをすぐに土から掘り起こし、付近の土ごと処理します。土壌消毒や熱処理が一般的な対策です。

また、掘り起こすときに使用した道具も病原菌で汚染されているため、忘れずにしっかりと消毒することも重要です。

土壌消毒に関してはこちらをご覧ください
「野菜が青枯病になってしまいました。土壌消毒をしたいので方法を教えてください！」

収穫時期によって感染のしやすさは異なる

じゃがいもは春作と秋作と2回の栽培時期が一般的です。

青枯病菌は地温が高くなる夏場に特に発生しやすくなるため、主に感染しやすいのは秋作のじゃがいもです。

春作の場合は寒い時期に栽培をすることから、青枯病の被害は少ない傾向にあります。

しかし、例年よりも春先の気温が高い場合や、寒冷地ではなく九州のような温暖な地域では春作のじゃがいもでも青枯病にかかる可能性もありますので、留意しましょう。

青枯病の感染を防ぐポイント

青枯病は発生してしまうと、畑全体にすぐ蔓延してしまうので、感染する前の予防策も重要です。

具体的な対策方法は次のようなものがあります。

・無病種イモを利用する
・過湿状態を避ける
・肥料過多を避ける
・連作を避ける

無病種イモを用いる

青枯病菌は土壌中にいるだけでなく、種イモからも感染します。したがって、無病種イモを用いるようにしましょう。

過湿状態を避ける

じゃがいもは、ハウス栽培ではなく、広大な土地を活かした屋外での栽培が一般的です。

青枯病は水分を多く含んだ土壌内で発生しやすいため、じゃがいも栽培をする畑の水はけをよくしておきましょう。

じゃがいもはもともと水はけのよい土でよく育つ作物なので、栽培前には過湿にならない状態をキープしておくことが重要です。

また、容器栽培では容器の底に鉢底石を入れたり、排水性の良い土を使うことで水はけをよくできます。

肥料過多を避ける

じゃがいもを青枯病から守るには、株そのものを強くすることも重要です。
肥料過多になると株が強くならず、青枯病に感染しやすくなってしまいます。

日当たりの良い場所を選び、肥料過多を避けるなど作物の特性にあったほ場と土づくりをまず徹底することで、強い株へと生長し、結果的に菌に対して抵抗性の高いじゃがいもを育てることが可能です。