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レンコンの腐敗病と予防法が知りたい!

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レンコンの腐敗病と予防法が知りたい!

レンコンの栽培を初めて2年の農家です。幸いなことに現在は順調に栽培が進み、主な病害の被害にも合っておらず、収量も定着してきている段階です。

しかし、先日近所のレンコン農家さんと情報を共有する中で、腐敗病にも気をつけたほうがいいよ、とアドバイスをもらいました。

未然に防ぐためにも腐敗病について知っておくべき概要と、その対策を教えてください。

野田勇人

特定非営利活動法人れんこん研究会 理事長

レンコンの腐敗病の原因はフザリウム菌とピシウム菌の2種類。レンコン田の常時湛水を

レンコン腐敗病とは


レンコンの腐敗病は、地下部のレンコンが褐色または黒色に腐敗する病気です。

地上部の症状としては、初めは葉の縁がしおれ色あせていき、やがて灰色となることが挙げられます。発生した枯死が次第に中心部へと広がり、まもなく葉全体が黄色に変色し枯死してしまいます。このとき葉が垂れ下がることが多いです。

腐敗病の発生初期は、地上部の葉に上記の様な症状が局部的に現れ、地下茎での腐敗病の進行にともない、圃場全面に広がるようになります。

一度発症すると以降の収穫にも影響を及ぼすため、発症させないことが重要です。

これまでは石灰窒素を散布することで対応してきましたが、長年の石灰施用による     カルシウムの蓄積や、pH 値の上昇、土壌中の塩基バランスの乱れによる土の硬化など、レンコンの品質低下も指摘されています。

また、土壌環境の悪化が引き起こす生育障害も腐敗病の症状と類似していますので、土壤分析などを行い、総合的な判断と対策をしていくことが肝要です。


レンコン腐敗病の原因


レンコンの腐敗病は、地下茎から病原菌が感染し発症します。

病原菌は土壌中のフザリウム菌とピシウム菌の2種類があります。
地下部のレンコンは褐色または黒色に腐敗しますが、被害症状は病原菌によって異なります。

フザリウム菌による腐敗病では、淡褐色または暗褐色の腐敗症状が維管束から広がります。

一方、ピシウム菌による腐敗病では、表層部の傷口から紫黒色または黒色の腐敗が広がります。

ピシウム菌による腐敗病の原因として、イネネクイハムシ幼虫による食害があります。成虫は金属光沢のある黒褐色で体長は6ミリ程度の細長い羽虫です。

畦畔やレンコン田などの土中で越冬した幼虫が、 5 月下旬頃から食害するとともに、その後蛹化、羽化した成虫が6月下旬頃から産卵、孵化し土中に潜った幼虫がまた食害を始めます。

幼虫による根の食害が激しいと、浮葉や立葉に影響を与えて生育不良となり、収量も減少します。さらに、食害されたレンコンは腐敗病に侵されやすくなります。


レンコン腐敗病の予防と対策


レンコン田の太陽熱消毒を行いましょう。

気温が上昇し晴天の続く梅雨明けから 8 月中旬ころまでが適期です。代かきを行った田に 10 a 当たり 200 kg の石灰窒素を散布し、さらにその後軽く代かきを行い、地表面を 0.5 mm 厚のポリフィルムで覆います。

腐敗病対策として、レンコン田を常時湛水(圃場に水を張ってためること)状態で管理することも有効です。

また、イネネクイハムシ幼虫に加害されると、レンコンが傷つき病原菌も侵入しやすくなってしまいます。イネネクイハムシの適期防除を行い、同虫の密度低減を図りましょう。

レンコンの主な病害虫についてはこちらをご覧ください
レンコン栽培で使用する農薬は、どんな病害虫に対して効果があるの?

このお悩みの監修者

野田勇人

特定非営利活動法人れんこん研究会 理事長

私たちNPO法人は、レンコンづくりにあたって直面する様々な問題を解決するためのお手伝いと、レンコンについての幅広い知識を、生産者や一般の方たちに知っていただくことを目的とする団体です。

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