menu
Pull to refresh

ピーマンの半身萎凋病はどのような病気ですか?

文字サイズ

拡大 標準

ピーマンの半身萎凋病はどのような病気ですか?

新しくピーマンを栽培しようと考えていますが、収量に直結する病気が心配です。

特に半身萎凋病に関しては近隣の農家さんが被害にあっていたので大変そうでした。

この半身萎凋病とはどのような症状が出るのでしょうか?

見つけ次第すぐに対処すれば問題ないのでしょうか?

発生原因や対策方法についても教えてください。

李 哲揆

データサイエンティスト

ピーマンの半身萎凋病は、カビが原因の土壌伝染性の病気で、株全体の葉を萎れさせてしまいます

半身萎凋病の症状


ピーマンの半身萎凋病はVerticillium dahliaeというカビによって引き起こる病気です。

半身萎凋病はその名の通り、植物体の片側だけに症状が現れる場合が多いです。

発生初期は植物体の片側で下葉から萎れだすという症状が出ます。

その後、徐々に植物体全体におよび、株の片側の葉が全てしおれて垂れ下がります。

そして、萎れた葉は枯死し、落葉して茎にまで感染を広げます。

最初は下葉から症状が出始めるので、下葉の変色が起きていないかは定期的にチェックしましょう。


発生しやすい時期


ピーマンの半身萎凋病の発病適温は25℃〜30℃で湿度が高い時期になります。

したがって、初夏~梅雨期と初秋に症状が出る傾向です。

半身萎凋病の病菌は高温の環境で発生しやすく、ピーマンを栽培する5月~8月にかけては特に発生しやすいです。

ハウス栽培でも、土壌中に病菌が潜んでいる場合や、ハウス内が高温多湿になっている場合は感染を招く可能性もあります。


ピーマンが半身萎凋病になる原因


ピーマンが半身萎凋病になる原因は、主に以下のようなものがあります。

・土壌中で病菌が発生
・前回栽培した時の半身萎凋病の病菌が土壌中に残っていた
・ナス科の作物を続けて栽培しており、病菌が土壌中に潜んでいる


ピーマン半身萎凋病の病菌はカビの一種で、高温多湿かつアルカリ性土壌で病菌が発生します。

また、半身萎凋病菌は土壌中で長期間生き残るため、ピーマンと同じナス科の野菜の連作は発病を助長させます。

さらに水はけが悪い土壌条件も病原菌の生育に適しており、半身萎凋病の発生を促進する可能性があります。


ピーマン半身萎凋病の対策方法


ピーマンが半身萎凋病に感染すると、その後の回復は期待できません。

感染が発覚した時点で、すぐに感染株を抜き取ってほ場の外に持ち出し焼却処理を行いましょう。

早期の発見で感染株を除去し、同じ土壌で栽培するピーマンに感染させないことが重要です。


ピーマン半身萎凋病を未然に防ぐ方法


ピーマン半身萎凋病を未然に防ぐには、以下のような対策が有効です。

・抵抗性品種や耐病性台木を利用する
・ナス科の作物を連作しない
・土壌管理(消毒や排水の徹底)


具体的な土壌管理法には、収穫後や感染株除去後に太陽熱や農薬での消毒を徹底しましょう。

ピーマンでは、キルバー、バスアミド微粒剤、クミアイガスタード微粒剤、ホクコーガスタード微粒剤という農薬が半身萎凋病に登録されています。

いずれの農薬も、植え付け前の使用しか認められていないので、植え付け前の対策として活用しましょう。

農薬を使わない場合は、太陽熱消毒や土壌還元消毒も有効です。

そのほかのピーマンの病害についてはこちらをご覧ください
ピーマンの斑点病を抑える方法が知りたい!畑の水はけの悪さが原因だと思うのですが…

このお悩みの監修者

李 哲揆

データサイエンティスト

名古屋大学大学院生命農学研究科にて博士(農学)を取得。東北大学、東京大学、理化学研究所などを経て、2018年からは東京農工大学生物応用システム科学府にて助教を務める。主な研究テーマは土壌微生物を用いた環境に優しい農法の開発。2021年4月から民間企業でデータサイエンティストとして働く。

シェア

COMMENT

この記事を誰かに教える /⾃分に送る

お気に⼊りに登録
ツイート
シェア
送る
NOTE

会員登録と⼀緒に公式LINEに登録すると便利です。

業界ニュースやイベント情報などが届きます。

友だち追加

関連するお悩み

ピーマン栽培で気をつけるべき害虫は?特徴や防除方法を教えて
ピーマンの実が大きくならない。考えられる要因と対策は?
ピーマン栽培の時期ごとの作業やポイントを教えてほしいです

あなたの悩み
YUIMEで解決しませんか??

農業や漁業に関する悩みや疑問や不安、
悩みごとについておよせください。
いただいた投稿から選考した相談内容について、
編集部や専⾨家がお答えします。

Loading...