埼玉県で規模は非常に小さいですが、減農薬栽培で野菜やお米などを作っています。
お米は病害虫に強いとされている「彩のかがやき」を、野菜はとうもろこし、枝豆、トマト、なす、きゅうりなどを中心に20種ほどを露地栽培しています。
独立就農して6年目ですが、いまだ試行錯誤の日々です。
毎年の課題は雑草対策で、とくにカメムシの被害を避けるためにスズメノテッポウ、ヌカボ、メヒシバ、スギナなどの駆除に悩まされています。
いままでは毎年、必死になって根こそぎ抜いていたのですが、先輩からイネ科雑草は無理して抜かず、「高刈り」する方がいいとアドバイスを受けました。
その先輩の話によると、雑草の対処法は「成長点を取り除く根元を刈る」「成長点を残す高刈り」「根こそぎ抜く」の3パターンあるとのことでした。
そこで、目安で構いませんので、雑草のタイプ別の対処法を教えてください。
(埼玉県・江川さん/仮名・30代)
NPO法人 緑地雑草科学研究所
NPO法人 緑地雑草科学研究所
雑草などの植物は生長点を刈り取られると枯死に繋がります
植物は生長点を刈り取られると、衰退し枯死に繋がります。
イネ科雑草の場合、生長点は総じて低い位置にあるため、高刈り(10㎝程度の高さ)は当然のこと、地際を意識しない通常の刈り取りでも、生長点を刈り取ることは困難です。
なお、“イネ科には高刈りが良い”というのは、他の広葉雑草も残るため、イネ科のみを優先しにくくなるという意味かと思われます(これは、他の雑草の成長でイネ科が目立たなくなるという意味であって、高い位置で刈るとイネ科が根絶する、という意味ではありません)。
逆に低い位置で刈ることを繰り返すと、イネ科のみ生長点が残るため、イネ科中心の植生に変わっていきます。
さて、挙げられた植物ですが、スズメノテッポウ、ヌカボ、メヒシバについては発生時期に差があれど、種子のみで繁殖を行う草種ですので、これらの草種を衰退させるのであれば、生長点より低い位置(地際)での刈り取りが重要です。
ただし、スギナについては地下深くに栄養繁殖器官を持ち、刈り取りで分断されるとかえって数が増えるケースもありますので、移行性の茎葉処理剤を施用するのが適切と思います。