就農してまだ10年ほどですが、千葉県で里芋を中心に多品目の野菜を育てています。将来的には自然栽培を目指しています。
今は農地をよく耕すことを意識して、土壌には稲わらや米ぬかなどを合わせた堆肥を混ぜ込んでいます。
農薬はできるだけ使わないよう心がけ、除草剤は一切使っていません。
そのため、メヒシバを中心にオヒシバ、ノビエなどの雑草に悩まされていますが、定期的に雑草を刈り取ることで対処しています。
年に3〜4回(6月末、7月末、8月末、9月末に仕上げ)は、かなりの時間をかけて草刈りをしていますが、非常に手間がかかります。
とくに秋は種を作る時期なので、夏以降は徹底して処理しています。
しかし、以前は秋(8月末から9月上旬の刈り取り後)になると雑草が枯れてきたはずなのに、昔よりも枯れるタイミングが遅くなってきているようです。
先日、先輩農家さんにこのことを愚痴ると、「メヒシバなんて刈り取りすぎるから増えるんだ」と言われました。
雑草は放置していたらどんどん増えていくと思っていましたが、刈り取りすぎると逆効果になるのでしょうか?
(千葉県・山崎さん/仮名・30代)
NPO法人 緑地雑草科学研究所
NPO法人 緑地雑草科学研究所
イネ科のメヒシバは種子ができるより前の段階で、できるだけ早く刈り取ってください
「雑草は刈り取りすぎると増える」というのには、2つの理由があります。
一つは、繁茂している雑草が無くなることで、これまで光や養分の競合に負けて生長が抑えられていた雑草が発芽・生長し、代わりに繁茂してくるケースです。
もう一つは多年生雑草が草刈りによって分断され、増えた地下茎の断片から発芽することで、厄介な多年生雑草がかえって増えてしまうケースが挙げられます。
なお、今回の対象となるイネ科のメヒシバ、オヒシバ、ノビエについては、いずれも種子繁殖を行うのみの一年生雑草です。
そのため、今回のケースにおいては地下茎が分断されて増える、というケースを考える必要はありませんが、イネ科は総じて生長点が低い位置にあるため、それよりも低い位置で刈り取りを行わないと、せっかく刈り取り行った個体も再生することになりますのでご注意ください。
なお、これらのイネ科雑草の防除については、できるだけ小さなうち、最低でも今後増やさないためには、種子ができる前に刈り取ることが重要です。