山口県でお米と野菜作りに励む農家です。なかでも米とじゃがいもは自然栽培しているのがこだわりです。
水田に発生するジャンボタニシの食害は、九州だけのものと油断していましたが、今では西日本一帯に広がりを見せているようです。
最近はこちらの地域にも被害が広がってきました。
調べたところ主な対策としては、冬場に田畑を耕す事や、薬剤散布がメインとなるようですが、薬剤には抵抗があります。
ところが最近では、ペットボトルや苗箱を用いて作る捕獲器にも効果があり、推奨されているとのことでした。
ちょうど先日も、岐阜県の小学生が農薬を使わない駆除装置を発明したと新聞で読みました。
このような身近にある素材を使うものだと、さほど手間なく取り組むことができそうです。
まずはこうした道具から取り入れつつ、大量発生する前に駆除を進めて二度と流入しないようにしたいのですが、どんな対策がありますか?
(山口県・小原和也さん/仮名・52歳)
松阪市産業文化部北部農林水産事務所
松阪市
卵に寄生虫あり!卵の段階で駆除、流入を防ぐ、捕獲機でとらえるなどの対策を
ジャンボタニシはニックネームのようなもので、正式名称は「スクミリンゴガイ」です。そして、ご存じの方も多いと思いますが、卵に寄生虫がいる場合があります。
これは人に感染する可能性があるので危険です。水田や用水路にピンク色の卵があったらジャンボタニシの卵かもしれません。絶対に素手で触らないようにし、もし触ってしまったらただちに手を十分に洗ってください。
卵を駆除するのは、水中に落とすことです。卵は基本的に水中でふ化できないため、水中に落とせば数を減らせるでしょう。
しかし、黒から白色に近い色の卵はふ化直前であり、水中でもふ化できます。押しつぶすか、その状況になる前の駆除が求められます。
ジャンボタニシの圃場への流入を防ぐには、ジャンボタニシがいる圃場で使ったトラクターを他の圃場で使用する際には必ず洗浄し、付着したジャンボタニシを含む泥を取り除くことです。
それから、冬期には土壌を細かく砕くように耕運し、物理的にジャンボタニシを破壊しましょう。さらに、取水口、排水口に網を設置し、ジャンボタニシが水路から圃場へ侵入することを防ぐのも有効です。
また、ご質問にあった「捕獲器」ならまとめて確保できます。捕獲機の制作に必要なものは、2リットルペットボトル・レジ袋(小)・割り箸(1本)・輪ゴム(3本)・米ぬか・水切りフィルター・マジックペン・ハサミ・カッター・キリ(千枚通し)・ステープラーです。
作り方をまとめた資料がありますが、簡単に作成できるので、子どもたちと作ってもいいかもしれません。