奈良県で耕作放棄地を活用してトマト、とうもろこし、ブロッコリーなどを中心に旬の野菜を少量多品目で育てています。
耕作放棄地だったせいもあり、毎年の雑草対策に苦労しています。
とくにスギナには悩まされており、頑固さに呆れている状態です。
就農して5年ほどになりますが、刈っても抜いてもダメです。すぐ復活します。
あまり使いたくないのですが、除草剤を撒いてみても効き目はイマイチです。
そんな時に酢が雑草に効果があるという話を耳にしました。
酢なら安全性も高いのでとても興味を持っています。
しかし、実際に酢を雑草対策として使用するにあたり、基本的なことが全然わかっておりません。
そのまま散布すればいいのか?それとも薄めた方がいいのか?散布する際の注意点を教えてください。
(奈良県・山本さん/仮名・30代)
NPO法人 緑地雑草科学研究所
NPO法人 緑地雑草科学研究所
食酢は特定農薬ですが、スギナに効果があるかは、なんとも言えません
農薬登録されている資材のなかには、食酢(酢酸)を原料とした、病害虫防除、雑草防除の商品もあります(例:カダン除草王シリーズ「ビネガーキラー」)ので、植物に対しての効果はあるようです。
ただ、どの程度の施用でスギナに効果あるかは、当方に知見がないため、なんとも言えません。
食酢は一般的に植物活性作用が強く、植物の根張りが良くなる現象が確認できるそうです。スギナは酸性土壌を好む植物のため、逆にスギナは生育が良くなる可能性もあります。
なお、食品由来であったからといって、いくら散布しても影響が無いということはありません(例:食塩)。過剰な散布とならないよう注意が必要かと思います。
また、以下は補足になりますが、食酢は、農薬取締法により、その安全性と植物への病害虫防除効果が認められた「特定農薬」です。
この場合の特定農薬とは、農作物、人を含むほ乳動物、水産動植物に害を及ぼすことがないことが明らかなものが原材料となっている農薬を指します。
食酢(酢酸)は、有機酸のなかでも、最も殺菌作用、静菌作用が高いことから、殺菌剤としての使用が認められています。