新規就農で京都に移住し、黒豆を中心に野菜を作付している農家です。就農前は南九州で農業研修を行っていました。
そこで大豆栽培やさつまいも栽培のいろはを教えていただいていたのですが、蔓(ツル)や規格外品のものは野菜残渣として圃場に放置したり、燃やして処分していました。
しかし、京都府の実家に帰って独立したのち就農したところ、野菜残渣の処分の違いに驚かされました。
私の集落では、まず燃やすことは禁止です。古い木造家屋が多く、飛び火して火事になるからだそうです。
そして、野菜を畑内に放置するのも禁止。中山間地ということもあり、獣が食料残渣を狙いにやって来るので、集落全体に迷惑をかけてしまうとのこと。
とは言うものの、食料残渣を廃棄物として処分してもらうにはかなりのお金がかかってしまうので困ります。
毎年大量に出る収穫残渣(蔓や茎なども含む)の上手な処理の方法があれば教えてほしいです。
(京都府・西山さん/仮名・50代)
吉田俊道
農業法人(株)菌ちゃんふぁーむ 代表取締役
残渣物を切り刻んで、トラクターで浅くすき込みましょう。肥料の足しになります
肥料がすでに高騰し始めていて、さらに必要な肥料が今後入手できなくなるかもしれないと言われている現在、残渣を燃やすなんてあり得ません。
少しでも肥料の足しにすべきです。
うちでは、さつまいものつるだろうと、里芋の茎葉だろうと、収穫後すぐに、ハンマーナイフモアを地上部すれすれに走らせることで、残渣物を切り刻みます。
あとはトラクターで浅くすき込みます。
深く耕すと、腐敗しやすくなり、ミミズやモグラ、そしてイノシシを呼びます。
刻んでから耕しているので、獣たちも食べられません。
分解も比較的早いです。
より完璧に発酵分解させるには、EM米ぬかボカシなど、発酵した米ぬかボカシを残渣物にふりかけてから耕うんすると良いと思います。