神奈川県にある6反ほどの農地でじゃがいも、にんじん、かぼちゃ、ブロッコリー、大根、サツマイモなどを露地栽培しています。
これまで、農薬や除草剤などの使用は最低限にし、安全な土壌作りにこだわってきました。
私は工夫することが好きな性格なので、最近、思い切って土壌をガラリと変えてみようかと考えています。
そこで気になっているのがバーミキュライトです。
以前はアスベストが入っている悪いイメージでしたが、かなり安心な状況になっていると聞きました。
なにより軽い資材であるという部分が魅力に感じており、ぜひ有効活用してみたいです。
しかし、作物によっては倒れやすいなどのデメリットもあるそうなので、バーミキュライトを使う場合の注意点を教えてください。
(神奈川県・山田さん/仮名・60代)
龍 慶介
てしまの苗屋/てしま農園
土壌改良が目的なら元土の4割程度。対比に比べると価格が高いのがネック
バーミキュライトの有用性が高いので、特に注意点は思い浮かびませんが、ご相談者が心配されているように、大量に入れすぎると作物によっては倒れやすくなると思います。
ここで簡単にバーミキュライトのメリットとデメリットをまとめてみましょう。
●メリット……軽い、無菌、中性、保持性が高い、保水性が高い、断熱性が高い、保温性が高い、効果の効きが長い
●デメリット……軽い、価格が高い
バーミキュライトは中が空洞になっているので扱いやすいのですが、その反面、風で飛ばされやすかったり、雨で流されやすいので、軽さはメリットでもあるし、デメリットでもあります。
扱う際は、畑の土と混ぜ込むことを前提にした土壌改良資材として使ってください。
土壌改良を目的にする場合、元の土の状況にもよりますが、多くても4割程度にとどめておいたほうがいいですね。
また、一番ネックなのはやはり価格の高さです。腐葉土や牛糞堆肥などの基礎堆肥に比べて価格が10倍程度高くなります。
畝に混ぜ込むとしても、60アールの面積ではかなりの費用がかかってしまうのではないでしょうか?
バーミキュライトと同じように、軽くて土壌改良効果を持つ資材として、もみ殻くん炭(燻炭)があります。
米農家さんからもみ殻をもらえれば、自作も十分に可能です。畑でくん炭を作ればそのまま撒くこともできます。
そのほうが現実的ではないでしょうか。生物由来の資材のためバーミキュライトほど改良効果は長持ちはしませんが、効果はほぼ同じです。
デメリットとしては、使いすぎるとPHがアルカリ性に傾いてしまうことでしょうか(石灰と同じような働きと思えばメリットでもありますが)。何事もバランスが大切ということですね。