直売所向けに、多品種の野菜を生産している露地農家です。ブロッコリーや大根、白菜などをメインに育てています。
里芋も栽培しているのですが、最近、私が住む関東エリアでも「サトイモ疫病」が目立ってきているようです。
地球温暖化による気温の上昇や、豪雨などの異常気象が関係しているのではないかと考えていますが、西日本の産地では、サトイモ疫病によってイモの肥大不良が起こり、収量減に悩まされていると聞きました。
幸いにもうちの圃場ではまだ発生していませんが、どのような対策が有効なのでしょうか?
日頃から気を付けるべきポイントなどがあれば教えてください。
(東京都・高橋さん/仮名・40代)
松淵定之
農薬工業会 安全広報部
サトイモ疫病の対策には、発生源を除去する、持ち込まない。感染条件に注意し、発病の有無の観察を
サトイモ疫病の発生源となる種芋を持ち込まないようにするのはもちろんですが、圃場周辺に収穫残さを放置したままだったり、それらが年を超えて勝手に生えてしまった、いわゆる「野良生え」があると、そこに雨や風などの気候条件によって病原体が運ばれてくると、感染源になる可能性が高くなります。
病気に関わらず肥料の過剰施用はNGですが、肥培管理という観点からサトイモ疫病を防ぐ技術は、まだ研究途上のようですから、病気の発生条件(雨、風)に注意して、日頃から発病の有無をよく観察することが重要だと思います。
感染の速度が速いので、予防的に防除をするとともに、発生を確認したら治療効果がある殺菌剤を定期的(7~14日間隔)で散布することが重要とされています。
サトイモの主要産地である宮崎県、鹿児島県、愛媛県などが作る「サトイモ産地を救う研究開発コンソーシアム」が公開している技術員向けの「マニュアル」や「これだけは必ず実施 サトイモ疫病対策マニュアル(2021年版)」がよくまとめられております。
こちらを合わせて参考にしてみてはいかがでしょうか?