長野県で父と共に高原レタスを中心に、トウモロコシ、ブロッコリー、チンゲン菜、イモ類などを作っています。
最近の肥料の高騰もあり、減肥を兼ねて秋からライ麦を取り入れる予定をしています。
ライ麦の活用法をネットで調べたり、まわりにも話を聞いたりしているのですが、「ライ麦は30cmほど成長したときにすき込むのが一番良い」という答えばかりです。
それが正しいのかもしれませんが、肥料効果を最大にしたいと考えた場合、出穂が早いライ麦を選び、100cmくらいまで成長させてフレームモアなどで粉砕しながらすき込む方が肥料効果がアップするのではありませんか?
なぜ30cmほどで育てるのを止めてすき込むのでしょうか? それ以上成長すると作業コストがかかるからでしょうか?
(長野県・丸山さん/仮名・30代)
宮城 果奈
雪印種苗 千葉研究農場 植物機能性研究Ⅱグループ
ライ麦が30cm程度に育つと、レタスへの窒素施用量が3〜5割削減できますが、それ以上になると窒素不足の恐れがあるからです
長野県農業関係試験場の平成28年度の研究成果『越冬ライムギの鋤込みによる初夏どりレタスの窒素減肥栽培』によると、越冬ライムギが草丈30cm前後になると、窒素成分量は約10アールあたり10kg以上確保され、初夏どりレタスの窒素施用量を30~50%削減できることが報告されています。
また同研究成果では、出穂期に近づくほどC/N比(炭素率)が高まり、すき込んだ際にライムギの分解に窒素が利用されてしまうことから、窒素飢餓になる恐れがあるとしています。
そのため、レタスの減肥を狙う場合は、ライ麦が大きくなるのを待たずに草丈30cm前後ですき込んでいただくことを推奨しています。
ライ麦のなかには中晩生の品種「R-007(ウィーラー)」のようにキタネグサレセンチュウ抑制効果を持つものがあります。
線虫の抑制が目的の場合、長く栽培して根を多く張らせることが重要ですので、出穂し始めた頃にすき込むと効果的です。ただし、この場合は減肥することができませんのでご注意ください。