大学卒業後、デザイン事務所に10年ほど務めていましたが、家の事情で農家を継ぐことになりました。
50アールほどの農地で施設野菜を中心に栽培しており、現在はトマト(ミニトマト、トマトベリー)、白とうもろこし、なす、きゅうり、キャベツなどを中心に育てています。
父が育苗にこだわっていて、すべて育苗からやっているのですが、育苗時は自動ではなく手灌水です。
手灌水は大変で、春先から初夏にかけて時間がかなりとられてしまいます。もちろん体力的にもかなりキツいです。
他の人にも手伝ってもらっていますが、どうしても灌水ムラが起きやすいのでチェックする必要があります。
なんとか手灌水作業を効率化したいので、何かいい方法はないでしょうか?
(千葉県・土屋さん/仮名・30代)
地當 直哉
株式会社SenSprout
システム導入によって省力化が可能です。時間に余裕も生まれますよ
弊社は農業用の土壌水分センサーと水やり制御装置の開発・販売をしております。この2つの技術を組み合わせることで、必要な時に必要な量の水やりができる灌水制御機器を実現しました。
この装置はパソコンやスマホの画面から水やりしたいハウスの開始日時と灌水時間を予約するだけで、4台分の電磁弁(電気の力で開閉できる弁)をそれぞれ別々にコントロールできます。
導入価格は一式34万8,000円、クラウド利用料は月額1000円になります。さらに土壌水分センサーを組み合わせることも可能です。
土壌水分量をWEB上で常に確認できるので、よりきめ細やかな灌水管理ができます。こちらは1台10万円となります。
初期費用の問題もありますので、より導入しやすい月5,000円からサブスクリプション方式を利用することも可能です。
ただし注意していただきたいのは、水道や電気、機械設置に伴う各種工事や設備設計、ポンプや灌水チューブ、通信環境の整備などはあらかじめお客様自身でご用意・ご手配いただかなければなりません。
私どもの灌水制御装置と土壌水分センサーを組み合わせることで、省力化が可能になります。
例えば、新潟県のトマト農家さんは、ハウスがあちこちに点在するので水やりのために1日に何度も車で往復する必要がありました。
とくに夏場のハウスは熱中症の危険もありますが、灌水制御装置と水分センサーを導入していただいたことで身体的な負担を軽減することができ、さらに計画的な水やりができるようになったことで裂果など規格外品が減り、収量が安定しました。
また、JA福岡大城のアスパラ生産部会は市の補助金を受けて部会で導入し、灌水用の人件費が2年あまりで減価償却できたそうです。
導入した農家さんからは、費用面はもちろんですが、いままで水やりにかけていた時間を他の作業(防除や収穫、打ち合わせなど)にまわすことができ、働き方改革につながって時間的余裕が生まれたとうかがっております。