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梨の木を収穫後に観察したら、骨格枝の落葉が早い木があり、一部が朽ちていました

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梨の木を収穫後に観察したら、骨格枝の落葉が早い木があり、一部が朽ちていました

千葉県で梨の豊水を栽培している農家です。

「収穫後に梨の木の様子を観察してみると良いよ」と先輩に言われたので、試しに11月初旬に観察に行ってみたところ、周辺の木に比べて骨格枝の落葉が早い木を発見しました。

よく見てみると、枝の木部の一部が朽ちていて、皮が剥がれ出しているところもありました。

収穫時には気づかなかったのですが、早いうちに何らかの対応をしたほうがよさそうです。

とりあえず朽ちた部分だけ削って保護剤を塗っておこうかと考えていますが、どう手当するのが良いのでしょうか?
(千葉県・高橋幸司さん/仮名・30代)

橋本哲弥

橋本梨園

梨の骨格枝の落葉が早い場合は胴枯病の可能性も。幹や皮のヒビ割れの初期症状を見逃さないで!

朽ちて皮が剥がれている状態から考えると胴枯病の可能性が高いです。

枝や幹の切り口や傷口から樹体内に病原菌が侵入し、拡大して樹を衰弱させます。

初期症状のうちは枝の表面や一部分を枯らすだけですが、表面からやがて深部にまで達して、最後には枯死させてしまう恐ろしい病気です。

胴枯病は徐々に広がるため、枝に留まらずに気づいたら骨格枝まるごと、主幹が冒されて木一本を失ってしまう場合もあります。

また胴枯病菌は果実の芯腐れ症の病原でもあり、黒星病などと同様に防除の優先順位の高い病気といえます。

残念ながら病気が進行して枯死してしまった箇所は元どおりにはなりません。

それ以上被害が広がらないようにすることが肝要です。

まずは削ったり切ったりして、枯れた部分を取り除きましょう。

ただ枯れた樹皮や枝を除いても、健全部にまで暗褐色に変色した病斑部が残っていることがあります。

その場合は病斑の残っている枝の木部まできれいに削り取ってください。

主枝や亜主枝で症状があらわれ、病斑が木部の奥近くまで達していることもあります。

残念ですがチェーンソーやノコギリなどを使い、病斑のない部分までセットバックして切り戻してください。

もちろん切り口には癒合剤を必ず塗布しましょう。

事前の対策も重要です。

以下の点やリンクを参考にしてみてください。

1、感染初期に取り除く
胴枯病の初期症状として、幹や枝の表皮がびひ割れしたり、サメ肌状態になったります。

まだハサミやノコギリで簡単に取り除けるので、剪定時によく観察して見つけ出してください。

2、感染源を適切に処分
枯死した部分は伝染源になるので、園内に放置せず、持ち出して処分してください。

また凍害の枯れ込みからも感染します。

枯れ枝は放置せず取り除き、切り口を癒合剤で覆ってください。

3、化学的防除
適期に薬剤散布をおこなってください。

基本的に各地域の防除暦どおり散布していれば問題なく防除は可能です。

ただ台風や大風で枝や樹皮が傷つき、そこから感染が広がる場合があります。

そのような場合は、天候が回復したら直ぐに適用のある薬剤を散布してください。

4、その他
胴枯病を助長する要因として、排水不良や過剰施肥も挙げられます。

感染を防ぐためには大前提として健全な樹体づくりが必要です。

対策を施しても一向に改善が見られない場合は、栽培環境そのものを見直したほうがいいかもしれません。

胴枯病 | 農業害虫や病害の防除・農薬情報|病害虫・雑草の情報基地|全国農村教育協会

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