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桃の盗難被害に遭いました。侵入対策やパトロールだけでは不安です

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桃の盗難被害に遭いました。侵入対策やパトロールだけでは不安です

福島県産の桃代表ともいえる「あかつき」を育てている50代です。玉揃いが良く、肉厚で果汁も多いのが自慢です。

最近、丹精込めて作った桃が盗まれる被害が増えてきています。私も園内にネットを設置し「盗難注意」「防犯カメラ作動中」などの看板を目立つところに立てていました。これだけでは不安だな……と思っていた矢先に盗難被害に遭ってしまいました。

被害は約500個ほどで、被害金額は約40万円ほどでした。夜間の犯行で、複数名のグループによるものだと思われます。

周辺農家でも立て続けに被害が発生しましたので、警察と連携して防犯パトロールを実施したり、新たに防犯カメラを設置しました。しかし、これでは決定的な防止にならないので、不安でなりません。また、精神的にも身体的にも余計な疲れが溜まってきています。

たとえば、不審者の侵入を感知する赤外線センサーで、即座に警告音やスマホに通知が届くようなシステムなど、最新の防犯システムの事例などはないでしょうか。あれば導入費用なども含めて詳しく教えてほしいです。
(福島県・佐々木さん/仮名・50代)

小野 順

エフ・アイ・テック株式会社

果樹遠隔監視システムを開発しました!お近くのJ Aに相談を

近年、全国各地で果樹園の盗難被害が相次いでいますね。非常に腹立たしい限りです。農家さんの高齢化が進み、農家さん自身が防犯パトロールを行うことが難しくなってきているのも被害増加に拍車をかけています。

私どもは、2015年にJA南アルプス市から果樹の盗難を抑止するシステムはできないかと相談を受けました。山梨県の白根でも、さくらんぼの高級ブランドである「紅秀峰」の盗難は悪質で、1個1個盗むのではなく、枝元をバッサリ切ってごっそり盗んでしまうので、その年だけの被害でなく、さくらんぼの木が来年以降もだめになってしまいます。

初めは赤外線センサーを使った盗難防止装置を作りましたが、赤外線センサーだと1回センサーを通過したらサイレンが鳴らなくなってしまう欠点があります。そこで、パッシブセンサー(遠赤外線を感知する装置)を利用して、泥棒が圃場にいる間はサイレンがなり続ける果樹遠隔監視システムを開発しました。

親機である無線機と、子機のセンサーを複数台組み合わせて使う装置です。人間の身長の高さに合わせて2本の光線を発信し、サイレンを鳴らしながら、農園主のスマートフォンにメールで知らせる仕組みとなっています。人間の身長に合わせた光線というのがポイントで、ネコとか狸のような動物の場合は泥棒だと判断されません。

温度変化に応じて検知するため、日中に近くを車が通ったり、散歩する人の体温を検知する場合もありますが、設定は必要に応じて変えられるます。夜の睡眠時間に余計な検知でわずらわされる心配はありません。

ご相談者さんは夜間に桃を盗まれることをご心配されていますが、私どもの機械を導入されたJA南アルプス氏の農家さんは、夜の見回りのストレスや精神的苦痛から解放されて、ゆっくり眠れるようになったのが本当に嬉しいとおっしゃっています。

JA南アルプス市の場合は、公的な補助金で購入した機械を、加入農家さんにリース(貸し出し)して使ってもらっています。そのため、農家さんの負担は少ないのです。現在は、山梨県のJAだけでなく、福岡や兵庫、愛知、石川県などのJAからも問い合わせを受けているので、まずはお近くのJAに確認していただくといいかもしれません。

私どもでは個々の農家さんにも対応しようと、最近、個人向けの比較的安価(23万円〜)な機種を開発しております。機械は可動式なので、警戒したいエリアに重点的に設置したり、満遍なく広い面積を監視したり、自由に置くことができますよ。

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