定年退職した後に米の専業農家になりました。
現在7町歩ほどを耕作し、毎年千数百枚ほどの箱苗をハウスで育てています。
その育苗時に困っているのが、出芽時に種籾に被せた覆土が持ち上がることです。
かん水しても持ち上がった土が戻らずに固まり、その部分だけ欠株になることがあります。
こうした発芽時の覆土の持ち上がりを防ぐ方法はありますか?
(千葉県・渡辺茂一さん/仮名・60代)
定年退職した後に米の専業農家になりました。
現在7町歩ほどを耕作し、毎年千数百枚ほどの箱苗をハウスで育てています。
その育苗時に困っているのが、出芽時に種籾に被せた覆土が持ち上がることです。
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佐々木茂安
日本のお米をおいしくしたい。佐々木農業研究会代表/農業経営技術コンサルタント
種籾の持ち上がりに困ったら、覆土の厚さ、播種量、水分量の3点に注目して
種籾の持ち上がりの原因は、主に「覆土の厚さが薄い」、「は種量が多い」、「覆土が固まるほど水分が多い」の3点にあります。
また、芽だしで高温の時間が長いと根が良く伸びても起こりうる原因となります。
具体的にどこが問題なのか、実際行われているところがわからないのですが、適正な床土の量は育苗箱が深さ30mmとして床土が15~20mm、正確に測るには主要のゲージが売っているので、それで測るようにしましょう。
ゲージで確認すると、適正な床土量と覆土量が確認できます。覆土が完了した段階で箱の肩とは少し隙間がある状態にします。
次に播種量ですが、近年密苗など極端に播種量の多い育苗をされる方があります。この場合も、適正な土の量があるのでメーカーにお問い合わせください。
覆土は種籾の厚さの1.5倍が標準と言われています。通常は箱あたり乾籾で100~160gで行います。
覆土後かん水すると、土が固まって芽が持ち上げる症状が多くなります。
芽は隙間から出てくるので、土が蓋のようにならないよう散水は避けましょう。
水分ムラの多い土を使うと水分の多いところは固まりやすくなります。芽出しの温度は上げすぎないようにしましょう。
最高32℃までとなっておりますが、28℃くらいでお試しください。
また、芽出しは芽の長さが育苗箱の肩の高さを超えない時点で終了します。
芽出しが完了したら、温度を下げるために早めに平起きします。
根が土の中を進む以上に伸びると持ち上がりの原因となります。
箱を段摘みするとは種時の散水量が多いことで、上の箱から水がしたたり、下の箱が水浸しになる事が想定されます。
これも、覆土の水分量が多くなる原因になります。あとは、土の粒子が細かいなどもあります。
思い当たるところはあれば、ご検討ください。