愛知県で有機農業で野菜を育てています。わりと粘土質の高い土地での露地栽培です。
いい土壌ではなかったので、水が畑に停滞しないように気を配ったり、試行錯誤しながら土作りにこだわっています。
自慢は玉ねぎです。生がおいしい極早生の「スーパーハイゴールド」から、たっぷり熟成させる「晩生もみじ」まで、数種類を育てています。
しかし、毎年心配になるのが「べと病」です。
愛知県では2019年に注意報が発令されましたが、2021年には大阪や京都、岡山などでも注意報が発令されました。
気のせいか被害がゆっくりと拡大してきている気がしています。
防除するには丁寧な薬剤散布が大切なのは知っています。とはいえ、できるならば薬剤は使いたくありません。
薬剤を使わないでべと病対処に効果的な方法があれば知りたいです。
(愛知県・森田さん/仮名・30代)
鈴木光一
鈴木農場・伊東種苗店
防除のためには必要な農薬の散布が必須です。全滅する恐れも
春先に収穫する早生品種の場合は、病気の発生から逃げ切れる可能性があります。
しかし、晩生品種についてはべと病になるという想定での防除対策が必要です。
最近はとくに梅雨時期の長期化や変動、ゲリラ豪雨などの被害も相次いでいます。
もはや畑の排水対策といった物理的な対策だけでは防ぎきれなくなってきています。
したがって、高温多湿が続く見込みであれば、防除のために必要な農薬を散布するように指導していますし、それができていないと全滅する恐れもあります。
ご相談者様の薬剤を使わないで防除したい気持ちは理解できますが、薬剤を使わないことは現実的には難しいでしょう。
それどころか消毒したからといっても完全に防げるものではないと私は考えています。
防除対策をしていた場合でも、もし病気にかかった株を見つけた場合には速やかに抜き取って必要な薬剤を必ず散布してください。