愛知県で白菜を育てている農家です。有機栽培のため、肥料や害虫対策などはなるべく自然な方法で取り組んでいます。
白菜は秋まき栽培で、8月に種まきして長期収穫をおこなっています。
白菜の天敵と言えば、青虫です。
侵入を防ぐためにいつもはネットをピッタリと張って防虫対策をしているのですが、先日青虫を発見してしまいました。
おそらくモンシロチョウだと思うのですが、やはりネットだけでは無理があるのでしょうか。
そのときは被害が大きくなる前につまみ出しましたが、おそらく今後も現れると思います。
青虫がいるか1枚ずつ葉を確認していくのも大変なので、なにか効率的な対策があれば教えてください。
(愛知県・木下さん/仮名・30代)
鈴木雅智
ブロ雅農園
白菜の青虫の被害を減らすには、防虫ネットの網目の細かさと張るタイミングがポイントです
こんにちは。神奈川県三浦半島のブロ雅農園の鈴木と申します。
同じ神奈川県からのご相談なので、参考にしていただければと思います。
白菜の種まきを8月に行って長期収穫しているということですが、播種時期(種まきのタイミング)を、いくつかずらして播種していますか?
神奈川県の播種限界は9月5日だと言われています。それまでを目標に、数回に分けて播種すれば、より長期間にわたって収穫できますし、病害虫の被害を分散させるメリットもあります。
播種限界時期だけは気をつけてください。(しかし、ここ最近は温度も高いですし、個人的にはもう少し伸ばせそうな気がしますが…。)また、ミニ白菜なども組み合わせれば、より長い期間収穫できるかもしれませんね。
ご相談は、青虫がいるということですが、農薬が使えるならそれが一番確実ですが、その使用が難しいなら、ある程度の被害は目をつむるしかありません。
ただ、少しでも被害を減らせる方法をここでは考えてみましょう。
まずは、防虫ネットを張っているということですが、ポイントとしては「網目のサイズ」と「張るタイミング」の2つです。
三浦半島の農家は、防虫ネットではなく、保温も狙うため「寒冷紗」を畑一面に「ベタ掛け」することがあります。
寒冷紗にも穴のサイズがありまして、目が細かいものを選べば防虫効果も期待できます。
また防虫ネットを張るにしても、なるべく目の細かいものを選ぶことによって、効果が高くなると思います。
心配な場合は、苗のときは不織布も併用すると、より効果が高いかもしれません。
また、張るタイミングは、播種後すぐに張ってしまって「収穫まで基本的にははがさない」ということも防虫効果が高いです。
アブラナ科は目を離すとすぐに虫の卵を産みつけられてしまうので、「1日あけっぱなしにしただけなのに」という場合でも、被害に遭うことがあります。
作業の手間はかかりますが、作業する時間帯だけ、ネットを開けて、作業が終わったら細かく閉じるということが物理的に一番効果的ではないでしょうか?
私は2022年、この方法で白菜を栽培しましたが、比較的きれいな白菜が収穫できました。量が増えるとなかなか難しいかもしれませんが、オススメです。