巻き網漁師です。近年、原油価格の高騰が著しいですが、それによって経営が圧迫されています。
原油価格が高騰するなかで、今後の漁業経営を考えると、利益確保のためには原油価格の影響を少なくしていくことが肝心だと思います。
そこで、漁船の電動化やハイブリッド化というのがひとつの解決策になると思うのですが、現在、漁船の新しい技術開発はされていないのでしょうか。
例えば、単純な考えかもしれませんが、ソーラーパネルを船上に乗せれば、海上は遮るものがないので太陽光が受けやすい環境だと思います。
また、造船所で働く知り合いからは、大型貨物船の電動化が開発されていると聞いたことがあります。
そうしたことを含めて、漁船のハイブリッド化や電動化が開発がされているのか、また、開発されているとしたら実用化の目途が立っているのかなど教えてください。
(長崎県・福島さん/仮名・30代)
武田誠一
東京海洋大学教授
漁船のハイブリッドや電動化はまだ実用化のめどが立っていませんが、今後に期待です!
漁船のハイブリットエンジンや電動化について、実用化のめどが立っているのかということですが、今のところまだそこまでには達していないのではないでしょうか。
専用のバッテリーで船を動かすことは既に実験などで可能なのですが、例えば時間的制約などの面から制限がかかっているようです。
ただし、試験的なものはこれからも開発されていくと考えます。
船上に乗せるソーラーパネルについてですが、どの場所にどのような角度で設置するかが問題になってきます。
また、どの程度までの容量が必要なのかも大事な点となります。漁船ですので必ず漁具が必要となり、その漁具を動かす機械があるはずです。
その機械の動力まで含めてどの程度の容量が必要なのか。このような点も問題となっています。
しかしながら、ご指摘のように原油価格の高騰に左右されずに安定した利益を生むためにも、そうした次世代の技術開発に期待しなければならないと考えます。