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カラスやアライグマなどの鳥獣対策で行っている爆音機に苦情が。近所迷惑にならない対策を知りたい

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カラスやアライグマなどの鳥獣対策で行っている爆音機に苦情が。近所迷惑にならない対策を知りたい

山梨県で果樹農家をしています。カラスやアライグマなどの鳥獣対策として、以前から爆音機(爆発音を発生させて有害鳥獣を追い払う設備)を使ってきました。

最初のうちは効果があるのですが、動物も賢いので慣れてくると効果が薄れていきます。特にカラスは知能が高いようで、こちらも頭を抱えています。

それでも、何もしないよりはマシなので使い続けているのですが、最近は農地の近くにも住宅ができ「音がうるさい」と苦情を受けることが増えました。爆音機の使用については、県のガイドラインを調べ、使用頻度や時間帯などはしっかり守っているつもりですが、さすがにそろそろ潮時かなと感じています。

近隣の方とは良好な関係を続けていきたいと思っていますので、迷惑にならないような対策をしたいです。何かいい方法はありますか?
(山梨県・福井満さん/仮名・56歳)

古谷益朗

野生生物研究所ネイチャーステーション

アライグマなどにはネットと電気の複合柵、カラスには黒糸が有効

野生鳥獣に対して、撃退音はあまり効果がありません。静かなところで初めて聞けば逃げることもありますが、効果は一時的なものでしょう。

野生鳥獣は身の危険を感じなければ逃げません。いくら音が鳴っても身の危険はありませんから、爆音機を使い続けてもいずれ慣れるだけです。

アライグマやタヌキなどの中型動物対策として、私は「楽落(らくらく)くん」という方式の捕獲方法を考えました。これは、地上部から高さ約40cmまでをネットで囲み、上部に1本の電気線を張る「複合柵」です。

設置には、楽落くん方式に対応した「かたまったくん」「トリカルネット」「楽落ネット」などが必要です。

40cmが中型動物にとって絶妙な高さのようで、登るのが得意なアライグマやハクビシンだけでなく、掘るのが得意なタヌキやアナグマも習性により柵に上り、上部の電線に触れ電気ショックを受け、近寄らなくなります。

これ以上の高さだと、登るのが苦手なタヌキとアナグマは掘る行動を優先するようになります。動物の習性から、このような柵が費用対効果や労力の面から最も有効と考えられます。

カラス対策には「黒糸」が有効です。黒糸はカラスには見えにくく、侵入しようとすると糸が翼などに触れます。見えないものが体に触れ、身の危険を感じる習性を利用するのです。

黒糸は鳥獣対策用の市販品を利用します。糸を張る場所は作物の上部に加え、サイドにも張ります。上部には地面と水平に1m間隔、サイドは垂直に30cm間隔が目安です。

地上から狙いくちばしが届くところはネットなどで覆うと糸を切られにくくなります。なお、光沢のあるテグスや黒以外の色糸では気づかれてしまいます。

熟期になる前、なるべく早めに設置すると効果的です。この黒糸は多くの果樹園で導入され、効果を上げています。

楽落くんや黒糸については埼玉県のWebサイトを参考にしてみてください。

古谷さんがかつて考案した中型動物による農作物への被害を防止するための技術一例

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