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農薬散布用のドローンの操縦がうまくできない。どう練習すればうまくなりますか?

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農薬散布用のドローンの操縦がうまくできない。どう練習すればうまくなりますか?

私は機械の操作があまり得意ではないので、ロボットなどを農業に使う「スマート農業」には尻込みしていました。

しかし、仲間たちが農薬や肥料を散布するためにドローンを導入し「作業が楽になった」という話を聞いて、思い切って導入することにしました。

しかし、地元の農林振興センターの研修などにも参加して、操縦に慣れようと努力はしているのですが、なかなかうまくいきません。

すぐ操作できるようになるから大丈夫だと言われましたが、これまで30時間ほど操縦しても、まったく思ったように動かせません。

とりあえずやってみようと農薬散布をやってみましたが、焦って民家の屋根に墜落させ、ドローンを破損させてしまいました。

時間がかかってもかまわないので、スキルを磨きたいです。どのような練習をしたらいいでしょうか?
(埼玉県・小林さん/仮名・30代)

糸野隆雄

株式会社セキド 営業2部 農業ドローン担当

最新機種なら練習せずに農薬の空中散布を簡単に行えます

「どんな練習をしたらいいのか?」というご相談ですが、最も「根本的」な解決手段として、当社で扱っているような最新の農業ドローンの導入というのが一番おススメです。

最新の農業ドローンは、高度な障害物センサーを搭載しており、フルスロットルで機体を飛行させていても、障害物の5メートル手前で絶対に止まるような機能が搭載されていたり、ふだんの農薬散布を楽にしてくれる「機体の速度制限」「スティックワーク(操縦)のミス防止」「散布の最適化」などといった便利なお助け機能が備わっています。

さらに、最新の農業ドローンではボタンをたった3回押すだけで「完全自動航行による農薬散布」も実現可能です。

今まで農薬の空中散布作業は、職人さんの技で成り立っていた側面が大いにありますが、機械の進化により、誰でもできる簡単な作業に変わりつつあります。

私自身、依頼されて散布代行業として多くの圃場を回って散布していますが、そのほとんどを完全自動航行や補助機能を使った半自動航行で行っていますから、ご相談者さまも、あまりご自身の腕前のことで思い悩まずに、難しい職人技は機械に任せてしまうというのも手かもしれないです。

とはいえ、すぐに新しい機体に買い替えるわけにもいかない事情もあるかと思います。

そこでドローンによる農薬散布で操縦する場合の注意点、そして操縦を上達させる練習方法をご紹介いたします。

まずは農薬散布での操縦の注意点ですが、最も重要なのは「ムラなく正確に散布する」ということです。そのためには以下のポイントを完璧にこなす必要があります。

1、時速15km~18kmで飛行させる
2、農薬を散布する幅の分だけ、機体を正確に次の列へ横方向に移動する
3、散布停止タイミングを間違えない……の三点です。

上記のポイントを確実に行うために、繰り返し練習することが不可欠です。

まずは1の「時速15km~18kmで飛行させる」については、繊細なスティックワークの習得が必要になります。

練習の方法は次のとおりです。オススメとしては、常に操縦者の隣で機体の飛行速度を読み上げてくれる補助者がいると練習がさらにはかどります。

・散布開始時にフルスロットルで直進させた後、機体がどれくらいで時速15kmになるのか確認する。
・その際の時間を体感で覚える。
・次の動き「フルスロットル →時速15kmになる→ ステックを引き戻して等速で動き続ける」をひたすら反復練習する
 
2の「農薬の散布幅分、機体を次の列に移動させる」という課題は、高度な遠近感が必要とされます。

操縦者から20メートル離れた先に、機体が飛行している状態で、まずは散布幅分、機体をひたすら横移動させる練習をしましょう。

このときに、どのように機体を動かしたら、散布幅の距離を正確に移動させることができたかどうかを体感でつかみましょう。それがうまくできたら、次は機体から30メートル離れたところで同じことをやってみるといった反復練習が効果的です。

3の「散布停止タイミングを間違えない」については、操縦者より、むしろ補助者のカット指示の練習の方が重要です。

機体がたとえどのような速度で動いていても、適切なタイミングで農薬のカット指示ができるように、さまざまなパターンで繰り返し練習してください。操縦者の練習に付き添って一緒にカット指示の練習もしてしまえば効率が良いと思います。

いかがでしたでしょうか? ここまで農薬散布飛行の練習方法をお伝えはしましたが、そもそも操縦するうえで難易度が高い機体をお使いの場合、技術の習得にかかる時間は、その分多くなってしまいがちです。

労働生産性を上げるためにドローンを導入したのに、浮いたコスト以上の練習時間が必要ならスマート農業の本質として本末転倒なのではないでしょうか。冒頭でオススメした最新機種の導入についても、あわせてぜひご検討ください。

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