茨城の野菜農家です。露地とハウスで、年間を通して10種類くらいの野菜を育てています。
田舎だからか、この辺りは外飼いされているネコ(体格がよく、首輪をつけていたりするので飼われているのでしょう)がけっこういて、毎日うちの圃場にやってきては愛想をふりまいています。
しかし、かまってあげないと敷き藁や苗の上で寝てしまうのです。
特に、雨をしのげて冬場でもポカポカと暖かいハウス内は居心地が良いらしく、何度追い出しても、昼夜を問わずどこからか忍び込んでは気持ちよさそうに寝ているのです。
私もネコは好きですし、飼っている人にとっては大切な家族だと思うのですが、特に苗の上で寝られてしまうと折れたりして収穫に影響するので、傷つけたりせずに追い払いたいのですが…。
何かいい方法はありませんか?
(茨城県・山田さん/仮名・40代)
古谷益朗
野生生物研究所ネイチャーステーション
猫の弱点である「水」で寝床を濡らしましょう!安全かつ効果的に退場してもらえます
猫は獣害対策上、最もやっかいな存在です。野生動物がするような探査行動をせずに、いきなり能力を全開にして対処する動物なのです。
また、これまでに何度も良い思いができている相談者のハウスへの侵入を防ぐことは、かなりの難題です。
しかし、そんな猫にも弱点があります。それは「水」です。猫は湿り気がある場所をとても嫌いますし、もちろんそんな場所で寝たりはしません。
ハウスの中は、温度が高くなると相対的に乾燥していきますので、猫が快適に眠れる場所があちこちにあるのでしょう。
そんな、猫が寝られそうな場所をシートで包んで、その上に保水力がある資材を濡らして載せておけば、そこでは寝なくなり、侵入頻度も減ってくるはずです。
ポイントは、忌避剤として使用するのが「水」であるということです。「水」ならば常連の猫ちゃんが触れたり舐めたりしても何も影響はありませんから、これ以上に優しい対策はないでしょう。