多品目の野菜を直売所に出荷しています。冬場はキャベツやブロッコリーなどが主体ですが、直売所の担当者から勧められてカリフラワーの栽培も始めました。
キャベツとブロッコリーの栽培では、育苗箱にすじまきを行い、その後ポットに移植し育苗してきましたが、最近ではセルトレイを使って、本葉が4枚なったら畑に植え付けています。
しかし、同じようにカリフラワーでもセルトレイを使って育苗したところ、畑に植え付けようと思ったら、根張りが悪く、植え付けた後も思ったほど花蕾が肥大化しませんでした。
同じアブラナ科の野菜でも、カリフラワーはセルトレイでの育苗に向かないのでしょうか?
セルトレイでの育苗に向かない野菜は他にもあるのか気になっています。どのような野菜が向いていないのか、教えてください
(愛知県・加藤優樹さん/仮名・40代)
鈴木雅智
ブロ雅農園
アブラナ科の野菜でセルトレイでも作りやすくおすすめなのは、黒キャベツ、ケール、カリーノケール、茎ブロッコリー類です
こんにちは。神奈川県の三浦半島で100品種ほど栽培しているブロ雅農園の鈴木です。
冬はブロッコリーメインですがカリフラワーも栽培しています。しかし、やはりカリフラワーはブロッコリーより作りづらく、難しい印象もあります。
わが家は、地床苗でほとんどのものを栽培していますが、それでもブロッコリーよりカリフラワーは根張りが弱いイメージです。
私の感覚ですが、ブロッコリーよりカリフラワーの方が、繊細なので、管理もカリフラワーは大変です。サイズや色にこだわりがない場合は、ミニカリフラワーの方がおすすめです。
サカタのタネが開発した「美星」や「オレンジ美星」と言った品種ならば、大量に栽培することができるし、食べきることができるコンパクトなサイズなので直売所でも人気です。とくにオレンジのものは作りやすいのでおススメです。
セルトレイは、種の量が少ないときに利用すると、管理はしやすいし、省力化になりますが、水が切れやすいという弱点かあります。
理想を言えば底面灌水ですが、それが難しい場合は、こまめな水やりや播種後は新聞紙などにより保水をしっかりすることが必要です。
また、育苗箱に比べると、どうしても根の張りは弱くなってしまいます。何穴のセルトレイを使っているかにもよりますが、不安な場合はサイズを大きくした方がおすすめです。
また、セルトレイから本葉4枚で畑に植え付けということですが、より手間をかけられるなら、3号か3.5号のポリポットに鉢上げしてから、定植する方が安心です。
鉢上げのタイミングは、セルトレイがしっかり根が回ってから鉢上げすることをお勧めします。
あとは、定植後は寒冷紗などで風対策をしっかりして、苗が回されるようなことがないように気を付けてください。
アブラナ科の野菜でセルトレイでも作りやすくおすすめなのは、黒キャベツ(カーボロネロ)、ケール、カリーノケール、茎ブロッコリー類はおすすめです。
直売所に出すということでしたら、茎ブロッコリーは特におすすめです。長期間とれますし、食べやすいので、収穫の手間はかかりますがぜひ挑戦してみてください。
ブロッコリー栽培をした方なら栽培は容易だと思います。