宮崎県で和牛の肥育農家を営んでいます。
シラミやダニのような寄生虫の影響で、牛がストレスを抱えてしまうケースが多く困っています。
牛房内で小さいダニが跳ねているを見かけることがありますし、複数の牛が鉄柵に身体をこすりつけて、痒がっている姿も日常的です。
シラミやダニは牛肉の品質に直接影響するものではないと聞いていますが、痒みによるストレスで、エサの食い込みが明らかに悪くなるので、どうにか対策をしたいです。
繁殖農家のなかには、1頭1頭丁寧にブラッシングするようですが、私のところでは、出荷直前の体の大きな成牛をはじめ、300頭ほど肥育しているので、全部にブラッシングするのはかなりの重労働です。
シラミやダニ対策で何か良い方法があればぜひ教えてほしいです。
(宮崎県・木澤雄一さん/仮名・40代)
細谷昌弘
株式会社ジョイン 代表取締役
ダニの薬を獣医師に処方してもらい、その後は再発防止に努めましょう
シラミ、ダニなどの寄生虫駆除には「アイボメックトピカル」「バイチコール」「ネグホン」などいくつかの薬剤が出ておりますが、とてもよく効果がありますので、まずは獣医さんに相談し、処方していただくのが第1歩です。
しかし、ダニやシラミは、水虫のように、治ったと思ってもすぐにまた再発し、いつもいつも困らせられます。
原因はふたつあります。ひとつは、牛同士の接触によって寄生虫が広まること、もうひとつは成虫は駆除できても、その卵には効果がないので、時間が経つと孵化して、また発生してしまうことにあります。
そのため、薬剤塗布するときは「全頭同時に投与すること」と、「一定の休薬期間をおいたのち再び投与すること」をおすすめします。「アイボメックトピカル」などイベルメクチン製剤がおすすめですが、ご相談者さんは肥育農家ということですから、と畜する前に37日以上あけるように指導されていますので、注意が必要です。
一度しっかりと駆除できれば、あとは新しい子牛を導入するときに駆除するくらいで、当分の間は大量発生がおさえられると思います。
最初は手間ですが、2度にわたる駆除をしっかりやってみてください。