大分県で柚子の専業農家をしています。柚子の栽培を始め40年近くになりますが、今年初めてシカの被害にあいました。
被害に合って分かったのは、シカは実を食べるのではなく、木の皮を食べるということ。
そのため、柚子の収穫に大きな影響はなく無事に出荷できましたが、木が今まで見たこともないような状態になってしまいました。
木の皮は剥がされ、食べられ、我が子のように育ててきた柚子の木の無惨な姿に、ただただ悲しみが溢れます。
元の状態に少しでも早く戻してやりたいです。
初めてのことなので、どうして木の皮が食べられたのか理由も分からず対策方法もわかりません。
この剥げた木の状態のまま、来年もちゃんと実は成るのでしょうか?
ずっと可愛がってきた柚子の木です。シカの食害にあった際の木の治療法があったら教えてください。
(大分県・矢野和也さん/仮名・60代)
JA高知・香美 営農経済センター
JA高知・香美 営農経済センター
柚子の実がなる枝を再生させること、増やすことに注力しましょう
鹿は目の高さまでのものは食べますから、相談者さんが「無惨な姿に」とおっしゃっているのは、鹿の目線までの枝がスカスカになっているということと推察します。
これまで柚子などの柑橘類は香りが強く、鹿などから被害を受けにくい作物だと言われてきました。
しかし、鹿は元々植物ならなんでも食べる雑食動物。
生息密度が上がり飢えが続いたせいで、最近はこれまで避けていた柚子の木すらもむしゃむしゃ食べている姿が、同じように全国でニュースになっています。
残念なことですが、今後は害獣対策が必要のようですね。
柚子は、前年に出た緑の枝に花が咲き実がなります。
そのため、一度被害を受けた果樹に翌年影響が出てしまうのは避けられないでしょう。
そして枝が張らないことで、木の大きさや成長、収量にも影響してしまうと思います。
少しでも早く回復を促すためには、肥料を与えて枝を生やす、管理をしっかりするという地道な作業が第一です。
また、中途半端にかじられた枝があれば、根本から切り取っておきます。
鹿への対策としては一般的な方法となりますが、まずは被害のあった園地に金属柵を設置してみてください。
もし柵を破られてしまうようであれば、電気柵の導入も検討してみてはいかがでしょうか。