宮崎県で2020年からゴーヤの栽培を行っている農家です。
ハウスではなく路地で栽培していますが、灌漑のやり方について教えて頂きたいです。
私がゴーヤを栽培している地域は、貯水池に貯えた農業用水を散水してくれる「畑地灌漑」の対応地域ではありません。
ゴーヤの栽培には大量の水が必要となるので、8月半ばから10月にかけては少雨と強日照で水不足になります。
その時期になると、近くにある農業用の給水スタンドから、軽トラックに積んだ水タンクで補給をして供給している状況です。
500リットルで100円ほどなので、金額に対しての不満はありませんが、雨が降らない時期には何往復もするので、かなり手間がかかります。
「畑地灌漑」に対応していない地域で、ゴーヤを栽培するための水設備についていいアイデアや方法があればぜひ教えていただきたいです。
(宮崎県・小林昭英さん/仮名・30代)
福島県北農林事務所 安達農業普及所
福島県
日射式装置の導入を検討されてみてはいかがでしょうか
福島県の安達地域では、2016(平成28)年から露地栽培のきゅうりの圃場に「日射制御型拍動自動灌水装置(ソーラーパルサー)」を導入し、効果が実証されています。
福島県でも、農業の担い手の高齢化などによる灌水作業の省力化が課題のひとつでした 。
そこで、川やため池などの水源のない地域の圃場に、灌水装置を導入しました 。
タンクの水は相談者さんと同じく、外から輸送してきた水を使います 。
ポイントは、日射量に応じて自動でかん水できる点、生育に応じてかん水を調整出来る点です。
導入後5~6年経過しましたが、導入前と比較すると収量も安定し、増収に繋がっています 。
福島県内では一般的な導入技術として確立しており、特に中山間地域で水の便が悪い地域に導入されています 。
ゴーヤ、なす、ピーマンなどの品目でも応用可能ですので、ぜひ検討されてみてください。
相談者さんは宮崎県での露地栽培ということなので、日射式の装置は非常に有効なのではないでしょうか。
宮崎県の方であれば、地元に同様の県の指導機関(農業普及所)がありますので、そこで地域の実情を踏まえて、ご指導いただけると思います。