施設栽培でミニトマトの育成を始めたいと思います。
品種はアイコを考えているのですが、トマトは自家受粉植物なので、露地栽培であれば作業しなくていいのですが、ハウス栽培の場合は人工授粉をさせなければいけないでしょうか?
これまでトマトを育てたことがないのですが、もし人工授粉が必要な場合、どのように行えばいいのか教えて下さい。
施設栽培でミニトマトの育成を始めたいと思います。
品種はアイコを考えているのですが、トマトは自家受粉植物なので、露地栽培であれば作業しなくていいのですが、ハウス栽培の場合は人工授粉をさせなければいけないでしょうか?
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中島洋治
とまと家
アイコの収量を安定させるためには人工授粉が有効です
人工授粉の必要性
本来トマトは虫や風によって自家受粉し、実をつける野菜です。
しかし、施設栽培の場合は虫や風が発生する機会が少ないため、人工授粉を行わなければ実は成りにくいのです。
トマトの花粉は、最低気温10度以下または最高気温35℃以上になると働きが鈍くなってしまいます。
受粉が安定しなければ、その分着果が遅れ収穫にも影響が出てしまい、農家にとって大きな痛手となります。
安定した品質と収量を得るために、多くのトマト農家では人工授粉を行っています。
一方で、受粉せずに着果する「単為結果性トマト」の開発も進んでいます。
人工授粉の必要がなく、受粉作業の手間が削減できるとして大きく注目されています。
現在は複数の品種が育成されていますが、まだアイコの単為結果性トマトは開発に至っていません。単為結果性トマトでない場合は、やはり人工授粉が必要です。
アイコの人工授粉の方法
アイコを含むトマトの人工授粉には、主に以下の3つの方法があります。
直接受粉させる
綿棒や筆などを使って、栽培者が直接花粉を付ける方法です。花の中に道具を入れて花粉を取り、受粉させます。
一花ずつ作業するため手間がかかりますが、確実な方法です。
この時のポイントは、優しく動かして花を傷つけないようにすること。強く扱ってしまうと落花の可能性があります。
ブロワー(送風機)を利用した受粉
電動の送風機などを用い、花が少し揺れる程度に送風することで受粉を促します。
送風機さえあれば簡単で作業時間も短く、誰でも取り入れやすい方法です。
着果を成功させるポイントは、受粉適期に複数回行うことです。
ホルモン剤を利用した受粉
「トマトトーン」というホルモン剤を使った方法で、農家の間でも一般的な方法です。
この方法であれば、気温を気にせず希望のタイミングで受粉させることができます。
使用時は、ホルモン剤の濃度や噴射する場所(葉や茎には当てない)に気を付ける必要があります。
ただしホルモン処理は、上手く噴射できなければ空洞果や奇形果ができやすいといったデメリットもあるので注意しましょう。
アイコの人工受粉のコツ
トマトの受粉方法について紹介しましたが、どの方法にもメリット・デメリットはあり、確実に成功させるにはコツや経験が不可欠です。
特に人工授粉を行うタイミングの見極めは非常に重要です。
花粉は少しの風で飛んでしまうため、花が咲いた日の午前中に行うのがベストです。天候を確認して、人工授粉を行いましょう。
このお悩みの監修者
中島洋治
とまと家
国内種苗会社に入社後、原種トマトの知識を深めるため南米にトマト留学。帰国後はビル屋上でのトマト栽培や海外のトマト栽培コンサルタントを行う。「トマトがあれば〜何でもできる!」を合い言葉に、「とまと家」としてトマトの魅力発信活動を主催。