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マリーゴールドを青枯病から守るためには どのような方法があるかを知りたい

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マリーゴールドを青枯病から守るためには どのような方法があるかを知りたい

花卉を育てていますが、新たにマリーゴールドを栽培しようかと検討しています。

しかし、マリーゴールドは、出荷前の時期になると青枯病にかかりやすくなると聞きました。

以前、空いているハウスでトマトを育てていた際、青枯病に罹って大変な経験をしたことがあるので、事前に対処策を練っておこうと思います。

マリーゴールドの青枯病対策について、詳しく教えていただけないでしょうか。

李 哲揆

データサイエンティスト

マリーゴールドは最盛期になると青枯病にかかりやすくなり、株全体を腐敗させてしまう恐れがあります

マリーゴールドが青枯病を発症した場合の症状


青枯病は、葉や茎が青いまま枯れていく、という作物特有の病気ですが、マリーゴールドのような花にも感染する病害です。

マリーゴールドで青枯病が発症すると、次のような症状が出ます。

・葉が急にしおれて株に元気がなくなる
・地際部の茎に黒褐色ですじ状の病斑が出る
・葉が緑色のまま枯れる
・最終的に株全体が黒褐色に変色して腐敗する


発症した時点で、その株は最終的に腐敗してしまいます。

また、1つの株が発症すると、畑全体のマリーゴールドに発症させてしまう可能性がある病害です。


マリーゴールドを青枯病から守る方法


マリーゴールドを青枯病から守るには、主に以下のような方法があります。

・圃場の水はけをよくする
・近くに発病畑がある場合は、雨水が流れてこないようにする
・病気の出ていない無病地の健全な株を親株として栽培する
・栽培後に熱処理などの土壌消毒を徹底する
・植え付け場所を変える


農薬等の対策方法は今のところなく、土壌消毒や排水管理による発病予防が一般的な対策方法となっています。

発病株が出た後の対策方法


青枯病は、前述した対策をしていても100%防ぐことはできません。

万が一発病株が見つかった場合は、以下のような対策をして、他の株に感染させないようにしましょう。

・多発圃場では青枯病に感染する可能性のある作物の栽培を取りやめて、イネ科植物を栽培する
・症状が出た株は見つけ次第抜きとって処分する


マリーゴールドはハウスで栽培されるケースもありますが、ハウス栽培の場合は根部をていねいに抜き取ったあと、次作での青枯病予防のため圃場全体を太陽熱などで消毒しましょう。

作型ごとの注意点


マリーゴールドには、2種類の作型があります。

作型

青枯病の注意点

春まき夏出荷

出荷前の5~6月に発症しやすいため、茎や葉だけでなく花の健康状態を逐一チェックしておく。

夏まき秋出荷

前作で青枯病菌が潜んでいる場合があるため、土壌消毒や排水を良くしたうえで栽培をする。梅雨時期の湿気対策の徹底。


青枯病は、夏場の高温と湿気により菌が活発となり、作物が感染しやすくなります。

夏出荷(5~6月)では出荷前の株が発症しやすくなるので、葉や花の健康状態のチェックを徹底しておきましょう。

また、秋出荷(9~10月)のマリーゴールドは、梅雨時期をまたいで栽培するので、過湿には特に注意して栽培を行う必要があります。

このお悩みの監修者

李 哲揆

データサイエンティスト

名古屋大学大学院生命農学研究科にて博士(農学)を取得。東北大学、東京大学、理化学研究所などを経て、2018年からは東京農工大学生物応用システム科学府にて助教を務める。主な研究テーマは土壌微生物を用いた環境に優しい農法の開発。2021年4月から民間企業でデータサイエンティストとして働く。

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