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ライチ栽培をはじめるにあたり、日当たりについて教えて欲しい

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ライチ栽培をはじめるにあたり、日当たりについて教えて欲しい

ライチの施設栽培に挑戦してみたいのですが、ライチは温暖な気候を好む果樹なので、日にしっかりと当てられるのかが大切だという話を耳にしました。

しかし、日が当たる時間なのか、それとも日光が当たる位置や面積のことなのか、何を重視したらいいのかわかりません。

ライチを栽培するには、日当たりの何に気をつけて、どのように対策したらいいのかを教えてください。

前田隆昭

南九州大学 環境園芸学部 環境園芸学科 教授

ライチ栽培での日当たりは遮光シートで調整しましょう

寒冷地でのライチは施設栽培が一般的


ライチは、高温多湿の日当たりが良い環境を好みます。

ライチは「亜熱帯果樹」に分類され、同じ亜熱帯果樹には、チェリモヤやアテモヤ、リュウガンなどがあります。これらの果樹は、どれも温暖な気候で栽培されている作物です。

そのため、ライチは、温湿度が管理しやすく、雨風から保護できるビニールハウスでの施設栽培が一般的です。

また、沖縄県や九州地方の一部では、露地栽培を実施している地域があります。しかし、露地栽培は温暖な地域でしか行うことができません。


施設栽培の日当たりは遮光シートで調整する


ライチの施設栽培で日当たりを調整する際は、遮光シートを活用しましょう。

遮光シートを使うことで、強い直射日光を遮断し、ビニールハウス内に熱がこもることを防ぎます。

夏場のビニールハウス内は、非常に高温になり、ライチは暑くてストレスを感じます。ストレスを感じると光合成が劣り、果実の品質に悪影響を及ぼします。

適切な温度を保つことで、ライチの葉の表面温度の上昇を抑えることができ、「葉焼け」(葉が日焼けしてしまう現象)を防ぐ効果もあります。


遮光シートは遮熱性が高い白色を選ぶ


白色の遮光シートは、「可視光線」と「赤外線」を反射する役割を持っています。そのため、黒色の遮光シートと比較すると、温度上昇を防ぐ効果が高いという特徴があります。

遮光性は低くなりますが、ハウス内を明るく保つことができ、日当たりを好むライチの栽培に最適です。


ライチの幼木は直射日光に弱い


ライチを日光に当てる際は、「葉焼け」に注意する必要があります。葉焼けは葉の温度が急激に上昇することで、組織が壊れる現象です。

葉焼けした部分は元に戻らず、ひどい場合は、株そのものが枯れてしまう危険性もあります。

特に成長段階の幼木は、組織が柔らかく弱いため、葉焼けしやすいという特徴があります。

強い光に当て続けると、枯死してしまう可能性があるので、長時間直射日光に当てないよう注意しましょう。


水やりのタイミングにも注意する


ライチ栽培では、日当たりだけでなく、水やりのタイミングも大切です。特に夏場は、日差しが強い昼間の時間帯を避け、朝や夕方に水やりを行いましょう。

涼しい時間帯に水を与えることで、地表の温度が上がりすぎることを防ぎます。

また、植物は葉から水分を水蒸気として放出する「蒸散」を行うことで、再び根から水を吸い上げます。そのため、日当たりが強い昼間に光合成が活発化するよう、朝に水やりを行うと良いでしょう。

このお悩みの監修者

前田隆昭

南九州大学 環境園芸学部 環境園芸学科 教授

琉球大学農学部を卒業後、和歌山県庁に入庁して農業改良普及所の技師や、果樹試験場の研究員などを歴任し、2009年退職。同年、農業生産法人「有限会社神内ファーム21」に入社し、南方系果樹の研究を経て、2015年から南九州大学環境園芸部果樹園芸学研究室の講師に。2021年同大学・短期大学の学長に。2022年5月、学長退任後も教授として引き続き学生を指導する。

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